現実的な選択を・・・

 

窓の杜の記事に、 Microsoftが古い「Office」のユーザー数を把握するためのパッチを公開 てのがありました。

 

米Microsoftは1月17日、「Microsoft Office」向けの更新プログラム「KB5021751」を公開したそうです。記事によると・・・

 

このパッチは「Office 2007」、「Office 2010」、「Office 2013」といったサポート対象外、またはサポートの終了が迫っているバージョンに配信される。古い「Office」を利用するユーザーの数を把握するのが目的だという。

 

だそうです。記事にもあるように、この更新は特にユーザーにはメリットのない更新ですが間近に迫ったOffice 2013のサポート終了後を考える機会になるでしょう。

 

Office 2013は本年 2023年4月11日 にサポートが終了します。既にサポート終了まで3ヶ月を切っていますので早急に後継のソフトを検討しなければならない時期です。

 

「後継のソフトと言っても、現在売ってるOfficeを買えばいいだけでしょ」

 

というお声もあるかも知れません。確かにそれも一つの選択肢ですが、他にも幾つかの選択肢がありますので、この機会にまとめてご紹介します。

 

選択肢の1つ目として、現行の Microsoft Office 2021 があります。ただ、このOffice 2021には注意が必要です。Office 2021は今までのOfficeシリーズと同様に買い切り型のOfficeではあるのですが、今までのOfficeと異なりサポート期間がかなり短くなっているのです。

 

Office 2021のサポート終了は、2026 年 10 月 13 日 となっています。つまり後3年ちょっとでサポートが終了してしまいます。

 

Office 2016までのサポート期間はメインストリームサポート 5年、延長サポート 5年の計10年のサポートがありました。それがOffice 2019からメインストリームサポート 5年、延長サポート 2年の計7年に短縮され、現行のOffice 2021ではメインストリームサポート 5年のみのサポートに更に短縮されました。

 

つまり、いままでのOfficeシリーズと同様に10年使えると思ったら大間違いです。今までのOfficeシリーズの半分の期間しか使えないことになっているのです。

 

今までのOffice 2016までのOfficeシリーズは10年間のサポートがありましたので、買い切り型として確かにコストメリットがありました。

 

ところが現行のOffice 2021は現在購入すると、たった3年程度しか使えないこととなりコストメリットがかなり悪くなっていることを認識すべきでしょう。

 

選択肢の2つ目としては、Microsoft 365 への移行となります。Microsoft 365は旧Office 365と呼ばれていたサブスクリプション型のOfficeとなります。

 

価格は Microsoft 365 Personal の場合、¥12,984/年 となっています。前述の Microsoft Office Home & Business 2021 の場合、オンラインコード版のAmazonでの価格が ¥34,452 ですから、1年あたり¥11,484となり、Microsoft 365とさして変わらない価格となります。

 

Microsoft 365は課金している限りは常に最新のOfficeを利用できますので、買い切り型のように新たなOfficeへ移行する手間がありません。その手間を考えると、この機会にMicrosoft 365へ移行するのも一つの選択肢として考えるべきでしょう。

 

選択肢の3つ目としては、 Office OnlineGoogle ドキュメント などのブラウザベースで利用するOfficeに乗り換える方法です。

 

Office Onlineはマイクロソフトアカウントを持っていれば誰でも無料で利用することができます。Officeの簡易版をブラウザで利用するものですが、通常のOfficeとの互換性もとりあえずは保たれているので複雑なマクロなどを利用していない使い方であればこれでも対応可能かも知れません。

 

同様にGoogleドキュメントもGoogle版Officeをブラウザで利用する形となります。こちらもGoogleアカウントを持っていれば誰でも無料で利用することができますが、互換性の問題は残ります。

 

選択肢の4つ目としては、MS Office互換のソフトに乗り換える方法です。

 

具体的には、無料のオープンソースの LibreOffice や 一部有料の WPS Office が挙げられます。

 

LibreOfficeは、オープンソースソフトウェアなので、無料で利用できることが最大メリットです。MS Officeとの互換性についても、複雑なものでなければ問題なく利用できると思いますが、完全互換というわけではないので修正が必要になる場面も出てくる可能性があることは覚えておくべきでしょう。

 

また、一部有料のWPS Officeは一部有料なだけに、互換性についてはLibreOfficeよりも優れている感じはします。基本機能は無料で利用できるので、LibreOfficeともに使い比べてみて使いやすい方を選択するのもありでしょう。

 

このように、Office 2013からの移行に関しては主に4つの選択肢があります。

 

移行を検討する場合に重要なのは、MS Officeのファイルを外部と直接やり取りする必要があるのかどうかです。

 

例えば、WordやExcelのファイルを直接、取引先にメールで送って編集してもらったりする場合です。この場合は当然ながら互換性が重要となりますので、Office 2021やMicrosoft 365への移行が妥当でしょう。

 

逆に上記のようなやり取りがない場合は、MS Office以外の選択肢も視野に入ります。請求書などを送る場合にExcelからPDFに落として送っている場合などは、Excelで無くてもPDFに落とせればいいわけですからOfficeである必要はありませんよね。

 

そういった場合は、MS Office以外への移行を考えてもいいでしょう。

 

個人的にはたった3年でサポートが終了して、後継のOfficeに乗り換える必要が生じてしまう現行のOffice 2021への移行は全くおすすめできません。

 

現在 Office 2013 をご利用中の方は、上記をご参考に2023年4月11日までに乗り換え先をご検討いただくことをお薦めします。