聖域に踏み込んだね・・・
ケータイWatchの記事に、「LINEMO」、3GBで月額990円の新料金「ミニプラン」 てのがありました。
ソフトバンクは、オンライン専用ブランド「LINEMO」で、新たに「ミニプラン」の提供を開始したそうです。3GBで月額990円となるとのこと。記事によると・・・
これまで「LINEMO」では、月額2728円で20GBという「スマホプラン」のみ提供されてきた。一方、総務省のデータでは、ユーザーの6割が3GB以下という利用実態とされており、今回、より多くのユーザーにマッチするよう「ミニプラン」が追加されることになった。
スマホプランと同じく、LINE関連のデータ(メッセージ、音声通話)は使い放題の“LINEフリー”。また1回あたり5分までの通話が使い放題となる月額550円の「通話準定額オプション」も利用できる。「通話準定額オプション」を1年無料で利用できるキャンペーンも実施される。
一方、通信量を使い切った後の速度制限については、スマホプランでは1Mbpsだったが、「ミニプラン」では300kbpsと設定されている。
だそうです。ソフトバンクがかなり攻めた料金プランを発表しました。「LINEMO」のオンライン専用料金プランとは言え、3GBで月額990円という料金はキャリアのスマホ料金としては過去最安じゃないでしょうか。
そしてこれは、キャリアが今まで手を付けてこなかった小容量プランのいわば「聖域」に踏み込んだこととなります。
ドコモが「ahamo」を発表して以来、KDDIやソフトバンクも追随したわけですが、ドコモの「ギガライト」のように小容量プランについては、全く手を付けていませんでした。あくまでも「中容量」をオンラインプランで安く提供することで、いかにもスマホ料金全体が安くなったように見せていたわけです。
ただ、今回ソフトバンクがこの領域に足を踏み込んだことで、他社も追随せざるを得ないとなると、既存のMVNOや楽天モバイルなどにも影響が及ぶことは必至です。
特にMVNOについては、死活問題と言ってもいいでしょう。今回の料金プランはMVNO大手であるNTTコミュニケーションズが提供している「OCNモバイルONE」の3GB/月コースと全くの同一料金となります。
同じMVNO大手のmineoに至っては、1GB/月コースで 1,298円 なので、今回のソフトバンクの料金よりも圧倒的に高いことになります。
楽天モバイルは、段階制の料金設定ですが、3GBまでは1,078円とこちらもソフトバンクの料金よりも高いこととなります。
楽天モバイルの場合、容量無制限で3,278円という大容量を利用するメリットや、1GBまでは無料というメリットもありますので、影響は軽微だと思われますが、MVNOは正に崖っぷちに立たされたと言ってもいいでしょう。
一般的に、容量とサービスと料金が同じ場合、あえてMVNOを選ぶメリットはありません。
今回のソフトバンクの料金はMVNO潰しと言っても過言ではないでしょう。
また、キャリア他社の動向も気になるところです。ドコモの場合、前述のように関連会社にMVNOが存在しますので、「ahamo」で同様のサービスを展開してしまうとカニバリズムが起こってしまいます。NTTコミュニケーションズのドコモ子会社化は既定路線なので、それを加速させることは可能ですが、それでもタイムリーな対応は難しいでしょう。
ドコモは上記のような関係で、すぐに対抗策は出せないでしょうから暫くは静観するとおもいますが、「ahamo」利用者で20GBも使わないという方の流出は気になるところです。
KDDIは「povo」での対応は可能だと思いますが、サブブランドの「UQモバイル」の「くりこしプランS」3GB/月で1,480円というプランとの料金の差があまりないのです。もちろん、店頭サポート可能ということでワイモバイルと同じ扱いはできると思いますが・・・
いずれにしても、キャリアが今まで「聖域」としてきた小容量プランに、土足でヅカヅカと踏み込んだソフトバンクはかなり「攻めた」印象です。
MVNOも含めて、他のキャリア各社の対応を引き続き注視したいと思います。