裁判もZoomで・・・
engadgetの記事に、 米テキサス州でZoomを使った遠隔陪審裁判が実施 てのがありました。
2020年5月18日(現地時間)、新型コロナ対策として、米国テキサス州でZoomを使った陪審制度が採用されたことをロイター通信が報じたそうです。記事によると・・・
米国では新型コロナウイルスによるパンデミックの影響により、感染を広める可能性のある陪審裁判の開催が保留されています。
そのため、各州では感染のリスクを避ける形での陪審裁判の方法を模索しており、このたびテキサス州では全米初となるオンラインミーティングアプリ「Zoom」を使った陪審裁判が採用されたとのこと。
ロイターが伝えたところによると、選出された陪審員はZoomを使って双方の弁護士の議論を聞き、評決を下します。この模様は裁判の透明性を公にするためにYouTubeのライブストリーミングで配信されます。評決が下されたのち、裁判の当事者は和解交渉を行うという仕組みです。
だそうです。いよいよ裁判もオンラインミーティングで行われるようになるようですね。陪審裁判ともなれば長時間、それなりの人数が「密」になりますからこうならざるを得ないのは理解できますが・・・
ただ、ツールとしてZoomが選ばれたのはナゼですかね?以前の本ブログの ZoomからWindowsの認証情報が盗まれる脆弱性が発覚したそうですが・・・ とのエントリーにてお伝えしたように、Zoomのセキュリティやプライバシーに関して多くの問題が出て海外メディアからは「Zoomは使うべきではない」とまで言われてしまったツールです。
もちろん、その後にZoomはすべての新規の開発を中止してまですべてのリソースをセキュリティとプライバシーに費やすことを宣言して現在ではかなりの信頼回復に至ってはいます。
セキュリティに関しては裁判所側も当然ながら確認はとっているでしょうし、裁判所側の基準を満たしているから採用されたのだとは思いますが、同様のツールも多々あるわけですしね。
Zoom側としては裁判所にも認められたセキュリティやプライバシーと言うことで、それなりにアピール材料にはなるでしょうから願ったり叶ったりというところでしょうか。
日本では以前の本ブログの 東京地裁などで民事訴訟の争点整理に「Microsoft Teams」を活用するそうです とのエントリーにてお伝えしたように、民事訴訟の争点整理には既に「Microsoft Teams」が利用されていますが、実際の裁判となるとそれなりに時間がかかるでしょうね。
米国同様に日本でも裁判員裁判がすぐにこういったツールで行われるとは思えませんが、少なからず日本の法曹界にも影響は与えそうです。
新型コロナウイルスの影響は既に既存の様々な行為を変えつつあります。きっかけはともかく、時代の変革点であることは間違いないようです。