やりすぎだけどね・・・
INTERNET Watchの記事に、 「Coinhive」で家宅捜索を受けたサイト運営者が刑事裁判を起こすことを表明、支援の声続々 てのがありました。
仮想通貨マイニングツール「Coinhive」の設置を巡ってサイト運営者の摘発が報じられる中、渦中のサイト運営者の1人が刑事裁判を起こすことを表明し、ネット上で支援の声が広がっているそうですよ。
詳細は記事に譲りますが、この「Coinhive」についてはあまりココで取り上げるつもりはなかったんですけど、お客様から話を聞かれることも出てきたので、とりあえず私的な意見だけチョットね・・・
まず、今回の件の法的な部分についてはエロい人にお任せするとして、 「Coinhive」がなんで嫌われるかの
技術的な部分だけちょっとホジッてみます。
今回の当事者の「モロ」さんのブログを拝見すると、Coinhiveの導入のところで以下の記述を見かけました。
以下、「モロ」さんのブログから一部引用します。
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2017年9月下旬、上記で紹介したGIGAZINEの記事でCoinhiveの存在を知り、月間3万PV程度、毎月3,000円程度の赤字を叩き出す所有Webサービスにテスト導入。
あくまで広告をなくしてUXを上げることが目的のためテストを重ね、
- いつもどおりのブラウジング(UX)を阻害せず、快適に閲覧できる
- 不自然にCPUが回らない
よう調整しました。
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そう、調整しました。と書いてあります。これは恐らく、CoinhiveのConstructor Optionsの値を調整されたのではないでしょうか。Constructor Optionsでは、マイナーが開始するスレッドの数や、スレッドがアイドル状態になる時間の割合を調整できます。詳しく見たい方は上記のリンク先をご覧くださいね。
詳しい説明は省きますが、この部分を調整することで、マイニングしていて妙にPCが重くなることもなく、負荷を可能な限り下げて自然なブラウジングができるようにされたのでしょう。
ちなみにConstructor Optionsの重要な部分である、「threads」 と 「throttle」 ですが、「threads」に関してはデフォルトの値がマイニングするPCの使用可能な最大コアに設定されています。また、アイドル状態になるデフォルトの時間は「0」に設定されています。
つまりこれはどういうことかというと、Constructor Optionsを調整しない限りは「フルフォースマイニング」の状態がデフォルトで設定されているということなんですね。
今回の「モロ」さんはいわばウェブのプロですから、ブラウジングが不自然にならないように「調整」されたのでしょう。そういう意味では、「モロ」さんの設置した「Coinhive」はかなり「良心的」な「Coinhive」なんだと思います。
しかし、「Coinhive」のユーザーはモロさんのようにプロの方ばかりではありません。おそらく、Constructor Optionsをイジって、負荷の少ないブラウジングに調整された方が果たしてどのくらいいらっしゃるのでしょうか?いや、Constructor Optionsを知らない方のほうが多いのかもしれません。
「Coinhive」の多くの設置者がデフォルトの値で設定しているとすれば、それはやはり閲覧者に「フルフォースマイニング」を強いることになり、CPUにかなりの負荷を掛けることになります。であれば、ブラウジングやPCの動作に支障が出ないとも限りません。それはやはり「ウザ」くないですか?・・・
中の人は基本的に「Coinhive」自体は否定しませんが、これが広告にとってかわる世界は正直イヤです。