百夜通い(ももよがよい) | 水鏡殿

水鏡殿

イニョン王妃の男にハマり
シンイにハマり
「君の声が聞こえる」でイジョンソクにハマりました(笑)
韓国ドラマと中国ドラマ、たまにタイドラマを見て書きたいこと書いてます。
読んでくださってありがとうございます❤️

長い髪を無造作に一つに束ねた女が二人、丘の上に立っている。

その丘の上の墓の前、二人の女は酒の杯を置いて広げた敷物の上に腰を下ろした。

今宵の満月は、いつにもまして明るく、まるで白夜のようにあたりを照らしている。

気持ちのいい風が頬を撫でて行く

黒髪の女、トギが手を挙げた。

「え?風が気持ちい?そうね、今日は最高に気持ちのいい風が吹いているわね」

赤い髪の女ウンスはトギの手を読んで答えた。

 
 
100年前の高麗を旅し、もどったウンスは トギに再会して最初にこういった

私たちこれから長いお付き合いになると思うの。だからあなたの言葉を教えて?

それから1年

ウンスはトギの言葉を覚えた。

トギははじめ、再び戻ったウンス馴れ馴れしさにうんざりしていたが、

次第にうちとけるようになった

トギの言葉をほぼ習得したある日、

ウンスは夜な夜な出かけるトギの後をついて行き、トギの秘密をひとつ暴いた。


「ここに通っていることは前から知っていたのよ。」


そこは小高い丘のうえに作られたチャンビンの墓の前だった


トギはときおり、夜になるとこの丘に訪れて、チャンビンの墓に茶や酒、時には饅頭などを供えていた。


ウンスに見つかった気まずさで、トギは口をとがらせたが、ウンスはトギに神妙な面持ちで話し始めた。


「あなたとちゃんとお話ができるようになったら話したいことがあったの」


トギは目を丸くして首をかしげた。

「まずは、チャン先生のこと、ごめんなさい。あなた、チャン先生が好きだったのよね?」

トギは驚いて丸くした目をますます見開いてウンスを見つめ返した。

返事をするかどうか迷っているトギの耳はほんの少し赤かった。

しばらくウンスを見つめた後、トギは少し迷いながら手を動かした。


先生が好きでした。想いが通じなくとも一生おそばでお仕えするつもりでした。


「そうよね…わたし一人で過ごしていた1年間にいろんな人の事を思っていたの。

あなたの事もよ。そして気が付いたの、あなたがずっと先生を好きだったこと」


「あの時に気が付いてあげられなくてごめんなさいね。私自分のことばかりで…

そしてあなたの大好きな先生を私のせいで死なせてしまってごめんなさい」



トギは明るい満月を見上げ、流れ落ちそうになる涙をこらえた。


風が二人の間を流れていく。


先生はいつも人の為に最善を尽くしていた。


しばらくしてトギの手がそう語った。


「そうね。本当に…心も体も治療できる素晴らしい医師だったわ」


先生はあなたとあえて嬉しそうだった。

自分の知らない医術をもったあなたの話が面白くてたまらないと言っていた。


「そうなの?」


あんなに目を輝かせて話す先生を見たのは初めてだった

それに…先生はずっとテホグンの事を気にかけていました。


「チェヨンのことを?」


はい。私にも直せない患者がいると…


「ヨンの…心の傷のこと?」


はい。


「そう…先生はずっとチェヨンの傍にいてくれたのね…」


でもあなたが来てしばらく…先生は言いました“わたしの役目が終わるかもしれない”と


「先生の役目?」


やっとテホグンを癒せるひとが現れた…と。

だからきっと、あなたを守れて喜んでいるはず。


「そうなのね…教えてくれてありがとう、トギ」


ウンスはトギを引き寄せると優しく抱きしめた。


「わたしたち…先生の分も一生懸命生きましょう…二人でいろんなお薬を作ってたくさんの人を助けましょう」

トギは照れくさそうにウンスの頭を指一本で突いた。



その後(のち)、二人はたびたびこの場所で酒盛りをするようになった。


当然チェヨンは二人の酒盛りを遠巻きに見守ることになる。





***終***

年越し企画の時に途中まで書いて書ききれなかったお話です。

結局チャンビンかよっ!という突っ込みは…受け付けます(笑)。

シンイ二次じゃなくてチャンビン二次になりつつあるような…?