こんにちは。
前回の記事↓の最後に書きました通り
今日は「パパ」のお話です。
つい先日、30代イケメン男性が私を車で迎えにきまして、高級ランチにエスコートしてくれました。
これはまるでドラマのような危険な話…
などというわけはなく、
彼「お久しぶりです、今日は宜し
くお願いします!!」
私「あ、はい、ご無沙汰しておりましたね、どうぞ宜しくお願いします。」
な、なんだ、一体何の用事なんだ…
彼「いや、おかわりないですねぇ、私が高校生の頃とかわってらっしゃらない!」
…いや、かわってないわけなかろう、あなたを担任していたのは15年前くらいです。かわってなかったら逆にオバケだよ
と心のなかで思いました。15年で社交辞令をちゃんと身につけたな
そうです、30代イケメン男性は昔の生徒さんです。
「オレ〜、っすよ」という喋り方から「私」という落ち着いた喋り方になったあたり、月日の長さを感じます。あぁ、大人になられましたね。
彼はおとなしいタイプが多いクラスのなかでは珍しく大層なスポーツマンで見た目もよく、おしゃれ男子でした。
ギャーギャーーさわいだりはしませんが、掃除の時間中こっそりほうきでホッケーをして「あなたの力ですとほうきが折れるのでやめてもらえませんか」と私に言われたような生徒さんでした。体育祭ではリレーアンカーごぼう抜きをしてキャーキャー言われておりました。
そんなこんなでまぁモテるわけです。先輩女生徒と付き合ったりしていた気がします。
彼は幼いころからあるスポーツにうちこみ、私の当時の勤務先はそこまで強豪ではなかったのですが、彼個人は選抜されたりと、とても頑張っていました。
さらにスゴイのは、彼の場合、部活引退後から猛チャージして一般受験で東京の有名私大に合格したことです。
引退したんで夏休みは1日13時間勉強しますと言って本当にやりとげたあたりがアスリートの根性はすさまじい…
大学卒業後は希望通りの職につき、20代で幼馴染の方と結婚(これにはびっくりしました)、現在は3児の父として幸せにくらしています。
さあ、このような絵にかいたような幸せそうな男性が一体久しぶりに私に何の用事なのでしょうか。
一通り昔のクラスメイトの近況などの話が出たあと
彼
「あの、息子さんになにか習い事させてますか?塾とかいっていますか、というか先生がいるから塾行く必要ないですか。」
と聞いてきました。
私「ああピアノやってますよ」
彼「ピアノうちの娘にもやらせたいんですよ、うちの奥さんも昔やってたらしくて。でも娘は興味ないみたいなんで困ってます。あとは何やってるんですか息子さん。」
私「えっと…ピアノでおしまいです。」
彼「えっ、1つしかやってないんですか英語とかスポーツとかそろばんとか公文とかないんですか」
そ、そんなにびっくりしなくとも…だいたい貴方だってそのスポーツしかやってなかっただろうよ…
私「あ、はい。息子の場合は明らかに私よりも音楽に適性があるなと思ったものでやらせてみたんですよ。貴方も知っての通り、私もピアノ弾きますし。」
彼「そうなんですか、中学受験とかしないんですか」
私「えっ、中学受験。貴方がお住まいのところと違い田舎ですから選択肢がなかなか。うちの主人なんか中高一貫の教員なのに公立中→公立高校→国公立大学、というのを望んでいるくらいですからね(ちなみにこのルートこそ実は一番難しい路線かと思いますのでのちの機会に語りたいです)。」
彼「えっ、実は私先生の旦那さまの学校に娘を…というのも考えておりまして」
私「あ、はやまらないほうがいいですよ、大量に選択肢ある地域ですよね、というかお嬢さま何歳でしたっけ?」
彼「年中です!」
幼稚園の年中さんでした
しかしながら何故彼はこんなに教育熱心になったのか…幼少からとあるスポーツ一筋でうちこみまくり、勉強も追い込みで間に合わせた青年が幼児教育や中学受験に興味をもっていらっしゃる…と思いました。
ちなみに英語の習い事がある幼稚園にお嬢さんは通園されているそうです、奥さまが英語堪能な方なのでフォローもバッチリです。そういう背景もあって彼もだんだんと教育熱心になっていったのかもしれません。
だんだんわかってきました。私を呼んだ目的が。
はい、教育相談
ですね
私「…今までのお話を聞きながらなんとなくわかりました。貴方(&奥さま)はお嬢さんにピアノやバレエや英語を習わせたいなと思っているが、実はお嬢さんこそあなたに良く似ていてスポーツ大好きであなたと同じ競技をしたいのですね」
彼「そうなんですさすが先生、よくお分かりで」
いや、話聞けば私でなくても分かります。
彼「娘はかなり活発でダンス習いたがったり(バレエではなくストリート系とのこと)、運動会のかけっこもダントツ一番でパパと同じ◯◯やりたいのに何でやらせてくれないのって言うんです。」
(うん、かなり活発で運動会ダントツ一番、もはやあなたと生き写しではないですか…。)
私「そして…あなたが同じスポーツを一緒に楽しもうと思っていたご長男(年少さん)がインドア座学好きタイプなんですね?」
彼「そうなんです息子と一緒に競技をやりたいと思ったら息子は興味なくて、むしろ息子は英語とか絵描いたりとかが好きで…」
私「私が言えた義理じゃないんですが、今の時代性別関係なしですし、お嬢さんと一緒にスポーツやったらいかがですか。お嬢さんがやりたいんですから。話聞いただけですが、お嬢さん昔の貴方みたいな感じですよね。」
彼「ええっ、似てますか」
(自覚ないんですか)
これはアルアルな感じですよね。
私の学生時代の同級生の話です。
お父さんが野球大好きでキャッチボールをしたがりましたが、彼は本を読むのが大好きな小学生だったため、毎回お父さんが「キャッチボールしないのか本ばっかり読んで軟弱な」とブチギレていたそうです。だから僕は野球見るのもヤダ(笑)、と言っていました。
同じ性別の子がうまれると同じようにその競技を、と思うようですが、こどもにも意思は勿論タイプや適性がありますからね。
今回の彼の場合は息子さんとスポーツをと思っていたら息子さんはあまり興味がなく、お嬢さんに興味と適性があったパターンです。
最後にうちの息子の話をしました。
「うちも結局ですね、歴史が異様に好きなんですよ。まずいなこれはと思って一回遠ざけたんですがダメでした。私みたいになってほしくないですからねぇ。ただ、好きなものは仕方ないんです、諦めました。仕方ないんで最近は考察をするようにもっていっています。ただ暗記してたってしょうがない、何故そうなったのかを徹底して考えろ、それくらいしてやっと歴史好きを名乗れるんだ、とこのあたりはスパルタで鍛えあげてます(笑)知識がないと思考できないですし。
あとは息子は算数が大好きらしいので、算数が全然好きじゃない私は学校の宿題は丸付けして、あとは勝手に問題集やってもらって、休日主人に投げます。
もう多分好きなことやらせちゃっていいんじゃないですかねぇ。あなたも好きだから競技を長くされてきた、私も好きだから長年音楽をやっている。これが答えのような気がしますが。職にならず趣味だっていいじゃないですか。」
彼「ありがとうございます、やっぱり好きなことですよね…よし、娘が小学生になったら入れそうなチームあるか調べてみます。」
私「そして多分パパが大好きなんですよ、一緒に楽しみたいんですよ。女の子って思春期になると父親に近づきませんからね(笑)一緒に競技たのしめるの小さいうちじゃないですか、ラッキーですよ。」
と伝えておきました。
そもそも子育てが終わっていない私に話を聞いてもらおうというあたりが既に人選ミスな気がしております。
彼には話を聞いた料なのか、やたらお高いお料理の代金を払っていただきました。すみません、話聞いただけで高額な…
その昔―卒業式後のクラスの生徒の打ち上げ代を全額払い、「今日くらいは気にせずに。いつの日か出世払いでお願いします(笑)」と冗談で言ったことを思い出しまして、彼が去ったあと涙したのは秘密事項であります。
お読みになってくださった方ありがとうございます!