2月2日

 明日は立春。

 子供達が居た頃は、豆撒きを元気にやっていたが、今は静かに。

 柊と目刺しの頭を飾るのは、今も昔も同じ。

 又、初釜の話。

 初釜で食べた弁当の、向こう付けが美味かった。

 出汁と酸味の混ざったものを、少し掛けると実に旨い。流石に三友居さん。

 下の左側がそれ。酒にも合う。

 盃を空けて一口目が、最高だろう。プロは上手。

 茹で卵も美味かった。

 食べた事は無いが、瓢亭の茹で卵もこんな感じだろう。

 汁物一つだが作るのは大変な手間を掛けている。

 落し辛子は、2種の出汁のブレンド出汁で溶かして作ってた。

 大根は別の煮汁で一度煮て、薄い汁物用で温める。

 汁椀を漆が変色しない限界の温度に温めて、大根を置き、汁を掛け、落し辛子を載せ、蓋を閉め、直ぐ席に運んだ。

 9枚のお盆を運び、「お箸のお取り上げを。」となる。

 椀物は更に大変な手間が掛かる。

 真薯は、蟹真薯だがこれが大変。筍の下の底に沈んでいる白い団子がそれ。

 蟹を擦り身用と食感用を用意して、擂鉢で山芋と擦るが、出汁もブレンド出汁を用意して擦り込む。但し適度に。

 俺が、手伝ったら、危うく駄目にする所だった。

 そこへ、食感用の蟹を適量散布して、丸め、寝かして、蒸して完成。真薯だけ。

 手毬麩、筍、里芋、人参、菜の花は、それぞれに合う出汁で煮。

 器と出汁を温め、丸碗に各具をセットし、亀の形の柚子2匹(夫婦)を載せて、出汁を注ぎ、蓋をしたら、直ぐ席へ運び、配る。

 俺が5碗、お詰めさんが4碗、折敷に載せ運び、それぞれの前へ配り置き、「冷めないうちにどうぞ。」

 かみさんが、配膳が出来ないので、今回は俺が配膳をした。その為の夫婦亀だったが、気が付い方はおられたかなあ。

 これで、椀物まで出せた。一段落。

 今日はここまで。