試験問題の作成に関する手引き(平成30年3月)
作成日付:21/01/24
更新日付:23/01/23
Ⅰ 医薬品の適正使用情報
1)添付文書の読み方
Ⅰ 医薬品の適正使用情報
1)添付文書の読み方
○してはいけないこと
守らないと症状が悪化する事項、副作用又は事故等が起こりやすくなる事項について記載されている。
一般用検査薬では、その検査結果のみで確定診断はできないので、判定が陽性であれば速やかに医師の診断を受ける旨が記載されている。
(a)「次の人は使用(服用)しないこと」
- アレルギーの既往歴
- 症状や状態
- 基礎疾患
- 年齢
- 妊娠の可能性の有無
- 授乳の有無
等からみて重篤な副作用を生じる危険性が特に高いため、使用を避けるべき人について、生活者が自らの判断で認識できるよう記載することとされている。
また、その医薬品では改善が期待できない症状等や、使用によって状態が悪化するおそれのある疾病や症状で、一般の生活者において誤って使用されやすいものがある場合等にも、適正使用を図る観点から記載がなされる。
重篤な副作用として、
- ショック(アナフィラキシー)
- 皮膚粘膜眼症候群
- 中毒性表皮壊死融解症
- 喘息
等が掲げられている医薬品では、アレルギーの既往歴がある人等は使用しないこととして記載されている。
小児が使用した場合に特異的な有害作用のおそれがある成分を含有する医薬品では、通常、「次の人は使用(服用)しないこと」の項に
- 「15歳未満の小児」
- 「6歳未満の小児」
等として記載されている。
(b)「次の部位には使用しないこと」
局所に適用する医薬品は、患部の状態によっては症状を悪化させたり、誤った部位に使用すると有害事象を生じたりするおそれがある。
それらに関して、使用を避けるべき患部の状態、適用部位等に分けて、簡潔に記載されている。
(c)「本剤を使用(服用)している間は、次の医薬品を使用(服用)しないこと」
要指導医薬品又は一般用医薬品は、複数の有効成分が配合されている場合が多く、使用方法や効能・効果が異なる医薬品同士でも、同一成分又は類似の作用を有する成分が重複することがある。
併用すると
- 作用の増強
- 副作用
等のリスクの増大が予測されるものについて注意を喚起し、使用を避ける等適切な対応が図られるよう記載されている。
なお、医療用医薬品との併用については、医療機関で治療を受けている人が、治療のために処方された医薬品の使用を自己判断で控えることは適当でないため、「相談すること」の項において、「医師(又は歯科医師)の治療を受けている人」等として記載されている。
(d)その他「してはいけないこと」
副作用又は副作用により誘発される事故の防止を図るため、避けるべき事項が記載されている。
小児では通常当てはまらない内容もあるが、小児に使用される医薬品においても、その医薬品の配合成分に基づく一般的な注意事項として記載されている。
その主なものとして、次のような記載がある。
- 「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないこと」
その医薬品に配合されている成分の作用によって眠気や異常なまぶしさ等が引き起こされると、重大な事故につながるおそれがあるため、その症状の内容とともに注意事項が記載されている。
-
「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」
体に吸収されると一部が乳汁中に移行して、乳児に悪影響を及ぼすおそれがあることが知られている成分が配合された医薬品において記載されている。
-
「服用前後は飲酒しないこと」
摂取されたアルコールによって、医薬品の作用の増強、副作用を生じる危険性の増大等が予測される場合に記載されている。
-
「長期連用しないこと」「○日以上(継続して)使用(服用)しないこと」「症状があるときのみの使用にとどめ、連用しないこと」等
連用すると副作用等が現れやすくなる成分、効果が減弱して医薬品に頼りがちになりやすい成分又は比較的作用の強い成分が配合されている場合に記載される。
症状が改善したか否かによらず、漫然と使用し続けることは避ける必要がある。
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