登録販売者試験─試験問題の作成に関する手引き(平成30年3月)

第3章 主な医薬品とその作用

作成日付:20/02/26
更新日付:21/09/24

 


Ⅲ胃腸に作用する薬 
2腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬)

 

 
Ⅲ胃腸に作用する薬
2腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬)

 

漢方処方製剤
腸の不調を改善する目的で用いられる漢方処方製剤としては、

  • 桂枝加芍薬湯
  • 大黄甘草湯
  • 大黄牡丹皮湯
  • 麻子仁丸

等がある。
 
これらのうち、

  • 桂枝加芍薬湯
  • 大黄甘草湯

は、構成生薬としてカンゾウを含む。

カンゾウを含有する医薬品に共通する留意点に関する出題については、Ⅱ-1(咳止め・痰を出しやすくする薬)を参照して作成のこと。
 
また、

  • 大黄甘草湯
  • 大黄牡丹皮湯
  • 麻子仁丸

は、構成生薬としてダイオウを含む。
ダイオウを含有する医薬品に共通する留意点に関する出題については、(c)①-ii)を参照して作成のこと。

 

 

②大黄甘草湯
体力に関わらず広く応用され、

  • 便秘
  • 便秘に伴う頭重
  • のぼせ
  • 湿疹・皮膚炎
  • ふきでもの(にきび)
  • 食欲不振(食欲減退)
  • 腹部膨満
  • 腸内異常発酵

などの症状の緩和に適すとされるが、

  • 体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)
  • 胃腸が弱く下痢しやすい人

では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
また、本剤を使用している間は、他の瀉下薬の使用を避ける必要がある。
短期間の使用に限られるものでないが、
5~6日間服用しても症状の改善がみられない場合には、いったん使用を中止して専門家に相談がなされるべきである。

 


NEXT⇒第3章主な医薬品とその作用Ⅲ胃腸に作用する薬2腸の薬(整腸薬、止瀉薬、瀉下薬)2)代表的な配合成分等、主な副作用漢方処方製剤③大黄牡丹皮湯


  

【第2類医薬品】タケダ漢方便秘薬

 

商品紹介

タケダ漢方便秘薬は、生薬の“大黄"と“甘草"を配合した漢方処方「大黄甘草湯」の便秘薬で、大腸がもともと持っているぜん動運動を促し、自然に近いお通じを実現します。
就寝前に服用すると、約8~10時間後※の翌朝には自然に近いおだやかなお通じが得られます。※個人差はあります。
主原料には、便通を良くする成分を安定的に含む「信州大黄」を用いています。
当社が20年以上かけて研究開発し、国内で栽培している良質な品種です。
錠剤には半分に割れる「割線」が入っており、便秘の度合いに合わせて半錠ずつ量を調節して服用できます。
便秘に伴うお腹の張り(腹部膨満)・ふきでものなども緩和します。
医薬品は、用法用量を逸脱すると重大な健康被害につながります。必ず使用する際に商品の説明書をよく読み、用法用量を守ってご使用ください。用法用量を守って正しく使用しても、副作用が出ることがあります。異常を感じたら直ちに使用を中止し、医師又は薬剤師に相談してください。

医薬品の販売について
●使用上の注意
■■してはいけないこと■■
(守らないと現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなる)
1.本剤を服用している間は、次の医薬品を服用しないこと
他の瀉下薬(下剤)
2.授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること


■■相談すること■■
1.次の人は服用前に医師、薬剤師または登録販売者に相談すること
(1)医師の治療を受けている人。
(2)妊婦または妊娠していると思われる人。
(3)体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)。
(4)胃腸が弱く下痢しやすい人。
(5)次の症状のある人。
はげしい腹痛、吐き気・嘔吐
2.服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師または登録販売者に相談すること

関係部位・・・症状
皮膚・・・発疹
消化器・・・はげしい腹痛を伴う下痢、腹痛、吐き気・嘔吐

3.服用後、次の症状があらわれることがあるので、このような症状の持続または増強が見られた場合には、服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師または登録販売者に相談すること
下痢

4.5~6日間服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師または登録販売者に相談すること

5.1ヵ月以上連続して服用する場合は、医師、薬剤師または登録販売者に相談すること

●効能・効果
●便秘
●便秘に伴う腹部膨満・ふきでもの(にきび)・腸内異常醗酵・痔・頭重・のぼせ・湿疹・皮膚炎・食欲不振(食欲減退)などの症状の緩和

<効能に関連する注意>
体力に関わらず、使用できる。

●用法・用量
次の量を1日1回、就寝前に水またはお湯で、かまずに服用すること。錠剤には割線が入っているので、便通の具合をみながら、半錠ないし1錠ずつ増量(下記の最大量まで)または減量すること。
年齢・・・軽い便秘(2~3日便通がないとき)・・・頑固な便秘(4日以上便通がないとき)・・・服用回数

年齢:15歳以上
軽い便秘(2~3日便通がないとき):1錠~3錠
頑固な便秘(4日以上便通がないとき):2錠~4錠
服用回数:1日1回 就寝前

年齢:5歳~14歳
軽い便秘(2~3日便通がないとき):半錠~1錠半
頑固な便秘(4日以上便通がないとき):1錠~2錠
服用回数:1日1回 就寝前

年齢:5歳未満
軽い便秘(2~3日便通がないとき):服用しないこと
頑固な便秘(4日以上便通がないとき):服用しないこと
服用回数:服用しないこと

<用法・用量に関連する注意>
(1)用法・用量を厳守すること。
(2)初回は最少量を用いること。
(3)便通の改善がみられたら量を減らし、服用間隔をあけること。
(4)小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させること。
(5)次の人は服用量を控えめにすること。
体の衰弱している人、月経時の人


●成分・分量
4錠(15歳以上の1日最大服用量)中に次の成分を含有する。
大黄甘草湯エキス散(金匱要略、26.7%量)・・・800mg
(ダイオウ1067mg カンゾウ267mg)より抽出

添加物:無水ケイ酸、セルロース、カルメロースCa、ステアリン酸Mg

<成分に関連する注意>
(1)本剤の服用により尿が橙色ないし赤色をおびることがありますが、ダイオウによるものなので心配ありません。
(2)生薬を用いた製品なので、製品により錠剤の色調が多少異なることがありますが、効果にはかわりありません。

●保管及び取扱いの注意
(1)直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に密栓して保管すること。
(2)小児の手の届かない所に保管すること。
(3)他の容器に入れ替えないこと(誤用の原因になったり品質が変わる)。
(4)ビンの中の詰め物は、フタをあけた後はすてること(詰め物を再びビンに入れると湿気を含み品質が変わるもとになる。詰め物は、輸送中に錠剤が破損するのを防止するためのものである)。
(5)服用のつどビンのフタをしっかりしめること(吸湿し品質が変わる)。
(6)使用期限を過ぎた製品は服用しないこと。
(7)箱とビンの「開封年月日」記入欄に、ビンを開封した日付を記入すること。
(8)一度開封した後は、品質保持の点から開封日より6ヵ月以内を目安になるべくすみやかに服用すること。

[その他の添付文書記載内容]
症状に合わせて用量を調節しましょう
割線を上にし、スプーンのふくらみを利用すると錠剤が半分に割れます。
初回は最少量から試しましょう。
●スプーンの裏のふくらみの上で、割線を中心に錠剤の両側を押しつけて割る。

便秘解消のアドバイス
排便の習慣をつけましょう
1日1回きまった時間(朝食後が最適)にトイレへ行きましょう。便意は我慢しないことが大切です。

食事に注意しましょう
豆類や野菜、果物等の食物繊維を含む食品を積極的に摂り、腸の運動を促しましょう。
こまめに水分補給を行うことも心がけましょう。

適度に運動しましょう
適度な運動で筋肉を動かすことは腸への刺激となります。ストレッチやジョギングなどを
毎日の生活に取り入れましょう。ほどよい圧力をかけておなかのマッサージを行うことも
効果的です。

便秘薬を長期にわたって使用すると、しだいに量を増やさないと効きにくくなる傾向が
あります。まずは、規則正しい排便習慣をとりもどすことが大切です。