登録販売者試験─試験問題の作成に関する手引き(平成30年3月)

第3章 主な医薬品とその作用

作成日付:19/12/30
更新日付:21/05/04

 


Ⅰ 精神神経に作用する薬
1 かぜ薬

2)主な配合成分等

 
Ⅰ 精神神経に作用する薬
かぜ薬
2)主な配合成分等

 

 

(g)漢方処方成分等
かぜ薬に配合される漢方処方成分、又は単独でかぜの症状緩和に用いられる漢方処方製剤の主なものに、
  1. 葛根湯
  2. 麻黄湯
  3. 小柴胡湯・柴胡桂枝湯
  4. 小青竜湯
  5. 桂枝湯・香蘇散
  6. 半夏厚朴湯・麦門冬湯

がある。
これらのうち
半夏厚朴湯を除くいずれも、構成生薬としてカンゾウを含む。
また、これらのうち、麻黄湯のほか、葛根湯と小青竜湯には、構成生薬として
マオウを含む。
カンゾウを含有する医薬品に共通する留意点、マオウを含有する医薬品に共通する留意点に関する出題については、Ⅱ-1(咳止め・痰を出しやすくする薬)を参照して作成のこと。
かぜの症状の緩和以外にも用いられる漢方処方製剤(小柴胡湯、柴胡桂枝湯、小青竜湯、麦門冬湯)では、比較的長期間(
1ヶ月位)服用されることがあるが、その場合に共通する留意点に関する出題については、ⅩⅣ-1(漢方処方製剤)を参照して作成のこと。

 

①葛根湯(カ・マ)
体力中等度以上のものの
感冒の初期汗をかいていないもの

  • 鼻かぜ
  • 鼻炎
  • 頭痛
  • 肩こり
  • 筋肉痛
  • 手や肩の痛み

に適すとされるが、

  • 体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)
  • 胃腸の弱い人
  • 発汗傾向の著しい人

では、悪心、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
まれに重篤な副作用として肝機能障害偽アルドステロン症を生じることが知られている。

 


NEXT⇒第3章主な医薬品とその作用1 かぜ薬2)主な配合成分等(g)漢方処方成分等②麻黄湯

 

 

葛根湯(7)=桂枝湯(桂皮・芍薬・甘草・生姜・大棗)+葛根+麻黄

商品紹介
●「葛根湯」から抽出したエキスより製した服用しやすい顆粒です。
こんな症状に効果があります。
さむけや発熱、首筋や肩のこわばりのあるかぜのひきはじめ
●体力中等度以上のものの次の諸症:感冒の初期(汗をかいていないもの)、鼻かぜ、鼻炎、頭痛、肩こり、筋肉痛、手や肩の痛み。
●次の量を、食前に水またはお湯で服用してください。
・年齢 成人(15歳以上)
1回量 1包(2.5g)
1日服用回数 2
・年齢 7歳以上15歳未満
1回量 2/3包
1日服用回数 2回
・年齢 4歳以上7歳未満
1回量 1/2包
1日服用回数 2回
・年齢 2歳以上4歳未満
1回量 1/3包
1日服用回数 2回
・年齢 2歳未満
1回量 服用しないでください
1日服用回数 服用しないでください

●用法・用量に関連する注意
小児に服用させる場合には、保護者の指導監督のもとに服用させてください。

 

●本品2包(5.0g)中、下記の割合の葛根湯エキス(2/3量)2.5gを含有します。
・日局カッコン 2.68g
・日局ケイヒ 1.34g
・日局タイソウ 2.01g
・日局シャクヤク 1.34g
・日局マオウ 2.01g
・日局ショウキョウ 1.34g
・日局カンゾウ 1.34g

●添加物
・日局ステアリン酸マグネシウム
・日局乳糖水和物、
・ショ糖脂肪酸エステル

 

●相談すること
1.次の人は服用前に医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。
(1)医師の治療を受けている人。
(2)妊婦または妊娠していると思われる人。
(3)体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)。
(4)胃腸の弱い人。
(5)発汗傾向の著しい人
(6)高齢者。
(7)今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人。
(8)次の症状のある人。
むくみ、排尿困難
(9)次の診断を受けた人。
高血圧、心臓病、腎臓病、甲状腺機能障害。


2.服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性がありますので、直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。
関係部位 皮膚。
症状 発疹・発赤、かゆみ。
関係部位 消化器。
症状 吐き気、食欲不振、胃部不快感。
まれに下記の重篤な症状が起こることがあります。
その場合は直ちに医師の診療を受けてください。
・症状の名称 偽アルドステロン症、ミオパチー。
症状 手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛があらわれ、徐々に強くなる。
・症状の名称 肝機能障害。
症状 発熱、かゆみ、発疹、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、褐色尿、全身のだるさ、食欲不振等があらわれる。


3.1ヵ月位(感冒の初期、鼻かぜ、頭痛に服用する場合には5~6回)服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。


4.長期連用する場合には、医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。