花屋さんとのお別れ

コアラは、受験の時、
チマチマお金を貯めては、塾の帰りに
駅ナカのお花屋さんで
２００円の切り花１輪を買っていた

４日の合格発表の後、
合格したら花束を買う
約束をしていたので、
二人でお花屋さんに寄る⬅やっと買える

そこで、コアラ、なんと、
くたびれた花ばかり選ぶではないか～


『ちょ……ちょっと

   もう少しシャキッとした花を選びなよ～』


『いいのっ、可哀想でしょ』

と、きかない

そこで、お花屋さんは、

『いつも、古株メンバーを選ぶんですよ～』
と、教えてくれた。


『へぇ～』
古株メンバーとは面白い。

でも、いつもピンと元気なお花を
買って帰って来るので
不思議に思っていたら
お姉さんは
『古株はお姉さんが予約済みだから！』
って、
新人のお花をくるんでくれていたらしい

わたしの知らないところで
コアラはこんなにも優しい人と繋がっていたんだな……と、感激した

コアラは、花屋のお姉さんに

『受験終わったからしばらく来ないよ』
『また、癒されくなったら買いに来るね』
『今までありがとう』
と、挨拶をしていた。

(この時点では明日も受験するつもりだった
ワタシは嫌な予感がたちこめるのだが )

お姉さんは、
『そうなんだぁ～、おめでとう！』と、
数本お花を追加して花束を作ってくれた

受験の時は、
コアラの欠点ばかりが目についた。
そして、
普段の何倍も叱っていたと思う

コアラは、
こういう交流で、癒されていたのかなぁ。
目的はお花だったのか、
お姉さんとのやりとりだったのか。

とにかく、
コアラと、お姉さんの
素敵な心を感じた出来事だった


うちのワンコを買ったときも、
小さな子犬をみては、

『可愛い～』
『欲しい～』
と、言いながら
選んだのは、到底子犬とは言えなくなった、
生後半年近くになるパピヨンだった

そのパピヨンは、
誰からも近寄られず、
一番下の、狭くなった展示ケースの中で
叩き売りされていたのだ。

抱かせてもらうと、
小さなコアラには、既に
ヨイショって感じだったが
その犬は、
落とされまいと、どこか必死な顔をしながらも、懸命に尻尾を振っていた……

コアラは、
『この犬にする』
と、元気に言ったっけ……

お花屋さんで、
この時のことを思い出していた。

コアラにも、
新しい別れと
新しい出会いが
やってくるのだ。


さて、昨年の今頃は
昼の仕事はセーブして
夜の仕事はお休みしていた。


久し振りの保育園、
約３週間ぶりの保育園、
子どもたち、忘れてるかな～
と、思っていたら、
さすがに３週間じゃ忘れない

なんと、全員起きて待っていた⬅０時

キャ～
怖い先生～←オイッ
と、大歓迎をうける。

おぉ～、アイドルになった気分だﾍﾍｯ

３週間、
いつ来るの
いつ来るの
と、毎日こればかり聞かれていたと言う。

なんだか、
受験の世界とは別世界の、この空間。

懐かしいようで、
切なくもある、この空間。

幼稚園すら行っていない子どもたち。

毎日、お迎えが来るか、来ないか、
それが最大の関心事の子どもたち。

わたしは、また、
ここに戻って、
子どもたちに《しあわせ》を
教えていきたい。

その日は、わたしを真ん中に、
みんなで寄り添って寝かしつけをした。

なぜ、お休みをしていたかを
知らない子どもたち。

『もうお休みしない』
と、聞いてくる。

いやいや、
さすがにたまには休むけどさ！
と、思いつつ
『長いお休みはしないよ』と言った。

もう、おしゃべりは尽きず
最初は優しい気持ちで応えていたわたしだが
……
とうとう堪忍袋も、限界を迎え

『口閉じるっ』
『いい加減に寝るんだよーっ』
と、なってしまった。

子どもたちは、
キャーと大喜びだった。

その日は寝かしつけるのに苦労したﾊｩ


朝になり、
猛烈な眠気の中、帰宅する。
お弁当を作る。

慌ただしいいつもの毎日が、
やっと再開した。

あれから、１年。

小６の受験組皆さんも、
少しずつ普段の生活に戻る頃

ここから、卒業までが、
まぁ～、早いからねっ！

あれっという間に卒業式

１日、１日を大切に…