以前、集団的自衛権の行使容認の認否が政界再編の踏み絵になる、と書きましたが、踏み絵とするのは時期尚早と判断されたのでしょうね。
与党自民党は、今国会で集団的自衛権の行使問題は論議しない、意向のようです。野党側に再編ムードが高まれば、踏み絵にもなったのでしょうが、どうも、まだ機は熟していないようです。
まあ、この集団的自衛権行使の問題は、反対の公明党はもちろん、自民党内からも、時間をかけて議論するべき、との声が強いわけですから、事を急いで党内の不協和音をあえて大きくする必要もありせんので、先送りは当然ですね。
しかし、当のご本人の安倍首相は相変わらずです。
安倍晋三首相は22日午前、防衛大学校(神奈川県横須賀市)の卒業式に出席し、訓示で「平和国家という言葉を口で唱えるだけで平和が得られるわけでもない。必要なことは現実に即した具体的な行動論と、そのための法的基盤の整備だけだ。私は現実を踏まえた安全保障政策の立て直しを進める」と述べた。集団的自衛権の行使容認に向けた憲法解釈変更と、自衛隊法など関連法の改正に重ねて強い意欲を示した発言だ。
首相は「南西の海では主権に対する挑発も相次いでいる。北朝鮮による大量破壊兵器や弾道ミサイルの脅威も深刻さを増している」と指摘。「日本近海の公海上で、ミサイル防衛のため警戒に当たる米軍のイージス艦が攻撃を受けるかもしれない。そのときに日本は何もできないということで本当によいのか」と訴え、憲法解釈変更によって日米同盟の一層の強化を図る意向を強調した。
(時事通信3月22日配信「集団自衛権に強い意欲=安倍首相 防大卒業式で訓示」)
この訓示は、先送りはするけど集団的自衛権の行使容認は、必ず行うという強いメッセージなのですが、さらにもう一つのメッセージが込められているように思いますね。
それは、25日にオランダのハーグで行われることが決まった日米韓の首脳会談を意識したオバマ大統領に対するメッセージです。
米国から強く要請されている集団的自衛権の行使は、必ず実現します、という同盟強化と同盟の新たな深化をメッセージに込めていたのではないかな、と思ってしまいます。
今回の首脳会談で、オバマ大統領にひいきにしてもらおうという外交的思惑もきっとあるのでしょうね。
【リファレンス】