「帰れない男~慰留と斡旋の攻防~」☆をみる | 日々茫洋ときどきエコ

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林遣都主演、倉持裕の作品ということで、チケットを取った。シアタードラマシティには1週間ほど前に「カラカラ天気と五人の紳士」を見に来たばかりでした。「カラカラ天気」は最前列、「帰れない男」は3列目。役者さんの表情がよく見えて嬉しいニコニコ

始まる前から、セットがよく見えて、係の人が「撮影禁止です。」と、繰り返し言っている。リビングでしょうか?柱があり、窓があり、上手に階段、開演のベル、3人の姿。

何の情報もなしで、チラシのイメージから現代劇と思っていたら、昭和初期くらい。そして、柱の手前、舞台最前部分は廊下で、見えない壁があるみたく、本来は見えない部屋の中を覗いている感じ。その部屋で繰り広げられる絡まった人間の気持ちの探りあい。ニヤリ

なんとも言えない、ラストでしたが、それぞれのセリフが噛み合い、ずれ合い、ぶつかり合い、最後まで、不穏な空気を産み出していたようです。えー

藤間爽子さんの和服がステキ。艶っぽく、不安定な感情の変化が良かった。佐藤直子さんの女中?家を仕切る感が、場面をうまく回しているようで、目の前をお盆を持ってささっと廊下を通りすぎていくと、部屋の中で次の展開へ移り、観客に全部見えているセットでありながら、場面転換を意識させてくれた。

舞台手前から廊下、部屋、中庭、さらにその向こうの広間まで奥行きを感じながら、部屋の中で交わされる会話の不穏さに翻弄された気がした。えーちょっと違うかもしれないけど、古い文学作品を読んだ感じ、理解しきれていない不安定な、もやもや感を反芻しながら帰宅した。

倉持作品の振り幅恐るべし、である。ニヤリ