ここにきて新型コロナウイルスで陽性になった患者に効くのが、アビガン、レムデシビル、そして、イベルメクチンと報告されています。

アビガンは日本の富士フイルム富山化学が開発し、近々承認となる予定ですが、妊娠する女性やその相手の男性に副作用が出ることも報告されています。

まさに、命をとるか、その後の副作用を回避するか、究極の選択です。

ずばり、これまでも指摘されてきましたが、日本の医薬品のドラッグラグが最大の課題です。

ドラッグラグとは、その国で作られた新薬が治験を経て、市場にまわり、患者に投与されてから、その新薬が日本で承認されるまでの期間が遅い(約4年)と言われていることを指します。

また、治験とはその新薬が人に投与されて、有効性と安全性を確保して、それを承認することですが、そこにドラッグラグが生じています。

それゆえ、武田薬品は2009年に研究開発の拠点を米国に移しました。

また、海外の新薬メーカーは日本の治験を避けてきた経緯があります。

私も厚生労働政務官の時に、このドラッグラグが何とか短縮できないか、様々取り組み、マンパワーの増員をはかりましたが、飛躍的な前進はみられません。


今回のPCR検査の体制も、SARSやMarsを経験したにも関わらず、日本における直接的な感染の拡大がなかったため、今回のコロナ感染まで保留状態でした。

この機会に、ドラッグラグを解消すべく、抜本的に体制強化をはかるべきです。

これは、日本の薬価制度にも起因しますが、それは医療費の抑制という至上命題が結果として新薬の開発と治験、承認を遅らせているのです。


米国のFDAは年間150種類の抗がん剤を治験にかけているのに、日本のPMDA((社)医薬品医療器総合機構)は50種に足りません。


ひとえに、それぞれのマンパワーも米国の2000人に対し、日本は400人です。

新型コロナウイルスの感染拡大が起きて、ここにきて、アビガンだレムデシビルだ、イベルメクチンだと急いで承認の段に進めても、副作用のこともあり、このようなパンデミックが起きる前に、あらためて日頃からの体制強化の必要性を痛感します。


一日も早い終息に向けて、この点の政治判断をすべきです。