横綱の日馬富士が今回の暴行事件をとらまえ引退を表明した。
当然と言えば当然だ。
心技体をモットーとし、国技としての大相撲。
国民に対して言わば精神的支柱ともなる背骨にあたるスポーツだ。
その真髄は、耐えるということ。
何があっても耐え抜く。
それが日本国民の模範となって国としての精神文化を醸成してきた。
今回の事件は数年前の朝青龍に続き、それを崩すものとなった。
しかし、である。
引退を表明するのが早すぎる。
事件の全容が判明するまで待つべきではなかったか。
何があってきっかけとなったことは何か、真相の究明をしてからでも遅くなかったはずだ。
臭いものにふたをしてしまったのではないかとの見方も出て当然。
二度とこのようなことが起きないようにするためには徹底して角界の膿を出し切ることだ。
日本相撲協会の八角親方と貴乃花親方の熾烈な抗争があることも発覚した。
今回の件で、そのきっかけとなった白鵬が土俵際で、日馬富士と貴ノ岩を再び土俵に上げると発言したことは、いくら大横綱としても明らかにおかしい。
さらに、貴乃花親方が巡業部長をつとめるなら巡業に行きたくないと述べるなど、力士としてあってはならない言動を続けていることだ。
これには、何か政治的な背景を感じ取ってしまう。
貴乃花親方は警察からの事情聴取を受けた後、経過がはっきりするまで協会等の事情聴取には応じないように警察とも話し、警察から協会に連絡もしていたという。
それなのに、事情聴取に応じないということだけがリークされ貴乃花バッシングにもつながっている。
モンゴル出身の力士の互助会的な場があるという。
まさか、星取りについての場でないことを信じたい。
あらためて警察は今回の一連の事柄に関わった協会役員すべてを聴取するくらいのことをしないと膿は出ない。
スポーツ庁も大なたをふるうときだ。
大相撲よ、大相撲たれ。