聖路加病院の日野原先生が天寿を全うされた。


105歳の生涯は波瀾万丈、明治、大正、昭和、平成の四つの時代を生き抜いた日野原先生は、常にポジティブシンキングの方だった。


日本国内、世界中で講演をされ、101歳の時に105歳までの講演の予約がいっぱいとなっており、最後までその使命を全うされたお姿は日本人の誇りである。


昭和45年のよど号ハイジャック事件の時に人質として拘束され、それを機に残された命を人々のために捧げようと、より強く思い数々のボランティア活動に当たられた。


何よりも生活習慣病という概念を生み出し、日本の医療の礎を築かれた。


圧巻だったのは、平成7年の地下鉄サリン事件の際、聖路加国際病院の院長として、搬送患者の無差別受け入れを陣頭指揮をとられた。


すべては、人道的支援を具現化する深い人間愛に基づく行動だった。


今後、後世に語り継がれるであろう日野原イズムは世界の医療関係者のみならず、多くの人々に健康のありがたさ、すばらしさ、そして医療を通じて助かることのありがたさを伝承されるはずだ。