こんばんは。
アヤンティーヌです。
「急にお座敷(?)の予定が入っちゃったから、今日は御願いね~」とカニ&ゾウお姉さまsからたすきを渡されてしまったので
今夜のお相手は私がつとめさせていただきます。
粗忽、ガサツ、不器用、注意力散漫、興奮すると身振り手振りが大きくなる.......様々な要因があるのでしょうが、
私、「飛ばし屋」です。お料理の『飛沫』(昨今一番よろしくないワード)を。
着物を脱いでハンガーにかけた時、「なぜここ?」な場所にバジルソースが新たな染め模様として存在していた時の絶望感たるや
最近の、帰宅後に気が付いた「プチ絶望」画像。デザートプレートのオレンジチョコレートソースを襟に飛ばしていました。
即、悉皆屋さんへ。私は簡単なお手入れで済みそうなものは、楽天市場の「きもの工房なぎさ」さんへ出しています。
着物用の食事前掛けというような商品も存在しますが、たいていの方はナフキンか手拭いを胸元か帯に挟まれているように思います。もしくはナフキンクリップで前に掛けるか。
(ナフキンかナプキンか、これもまた悩める問題ですが、今回はナフキンでいきます)
ものの本によると、一応「正式」なナフキンの位置は膝の上と。
胸元に挟むのも、クリップで前に掛けるのも、大人のマナーとしてはいかがなものか、ということらしいです。
(帯をカバーするのはぎりぎりセーフですって)
ソンナコト言われたって、「お手入れ代」のことを考えたら、転ばぬ先の杖は重要デス
ところで
私が小学生の頃(先カンブリア時代くらい昔)、キャンディネックレス、という手作りアクセサリーが流行りました。
細長く切った布に、ビー玉をくるんで結んでいくだけの簡単ハンドメイド。
時を経て、8年くらい前でしょうか、同じものが「ラッピングネックレス」と名を変えて、薄い綿ローンなどの生地にアクリルビーズやウッドビーズなどを入れる作り方で、手作り業界(?)に極地的に流行りました。
その時私の脳裏に天啓が!
これでナフキンクリップ作ったらよくない?かわいくない?
チェーンと違って糸や生地がひっかかりにくいし!
チマチマした作業が殊の外好きな私。作り出したら楽しくなって、大量生産(生地はリバティ使用)。
ナフキンクリップの長さですが、最低限「スマート」な感じにするなら襟元を少し見せる方がよいとは思うのですが、
その「任務」を完璧に遂行するには、本当はこのくらいの位置で装着したいところです(トルソーは襦袢姿)。
ちなみに冒頭の絶望写真のチョコレートソースのシミは、「スマート」優先の長さで前掛けをしていたら、あご下のフリーゾーンに飛ばしてしまいました・・・。
そこで作ってみたのがコレ。フェイク衿前掛け。
さて
悩ましいマナーのお話に戻ると、どんなシーンまでならナフキンクリップを使ってよいのか。
居酒屋やカフェ、カジュアルレストランなどなら勿論OK。そして、それなりに敷居の高めなお店でも、
「私、汚し屋なので、恥ずかしいけれど前掛けしちゃっていいですか?」
と着物美女(私デス)が言えば、、粋なメートルドテルは「もちろんでございます。よろしければナフキンをもう1枚ご用意いたしますか?」
とにっこり微笑んでくださいます。
とはいえ、「マナーとは、相手や周りの人への心遣いのことである」という金言に沿うならば、前掛けをした私を見て眉をひそめる方がいるような場面では、膝にナフキンを載せるに留めるべきなのでしょう。
以前、着物雑誌の編集者さんにお話をうかがった時には、「『布のナフキン』が供されるお店では、ナフキンクリップ前掛けは使わない方が賢明」、とのことでした。
そもそも昔の貴族は首からナフキンをかけていたのが、男性は胸の勲章を、女性はジュエリーを見せたいがために、徐々に膝に置くのがマナーとなったとか。
歌もマナーも、世につれ、人につれ。何を採用するかは結局TPOと、なによりその場の「雰囲気」かなあ、と。
さて我らがカニ&ゾウお姉さまsですが、もちろん拙作のナフキンクリップはお渡ししてあります。しかし、私と違って、手練れなおふたり、ほぼクリップを使われることはなく、ナフキンはいつも膝の上に。淑女とはかくあるべきかな。
今宵も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
またいつか。
おやすみなさい。
ありがとうございました