「まあ、この間もちょっと、別のラジオ番組で
松藤とチャーリー・ワッツの話をしたんですけども…」と甲斐さん
「えー、まあ、曲を聴いたあとに、その話をしますが
『うーん、そうか…』みたいな感じも、ちょっとありましたね
『松藤は、そういう風に受け取れてるんだな』と(いうことが)見えて…僕と全く違ったんで…
えー、ということで…これ、イントロのドラミングの…
これはねぇ、白人は出来ないね、これ、完全に黒人ですからもう…
イヤ、理由があるんですよ、やっぱり…
ビートルズのリンゴ・スターは、シャッフル系の8ビートはものすごい上手いんだけど
やっぱり、ビートは16じゃないんで…えー、その話はね、また、曲が終わったあとにしますが、ハイ
これ、ミラクルズ…スモーキー・ロビンソンのね
ミラクルズの…えー、ヒットナンバーのカバーです
えー、この『スティル・ライフ』っていう
このライブアルバムのために…ミックスが延びたせいで
僕が一番最初にニューヨークに行って、パワーステーションで、2日間待たされたのは
この『スティル・ライフ』のミックスが延びたせいだったんですよね
えー、まあ、結局その2日間は(アルバム)ジャケットを先に…
一番最後にジャケット(写真を)撮ろうって言ってたのに
『まっ、じゃ、ジャケット先に撮ろう』って言って
2日間潰したんで良かったんですけど…」と鉄板エピソードを披露なさってましたが(笑)
ミックから「サンキュー!ジャパニーズ!」というメッセージ付きの
紅茶セットをプレゼントされた話は出ませんでした(笑)
でも、その初めてニューヨークでミックスすることになさったきっかけは
この「スティル・ライフ」にも収録された「スタート・ミー・アップ」をお聴きになって
ボブ・クリアマウンテンというエンジニアの存在をお知りになったからとのことですし
ミックの「お願い」は聞かざるを得なかったでしょうね?(笑)
「…ということで、ザ・ローリング・ストーンズ
『ゴーイング・トゥ・ア・ゴー・ゴー』」…を流されたあと
「ハイ、ということで、アナハイム・スタジアム…1981年のツアーを
えー、ライブアルバムにして、82年にリリースされた(「スティル・ライフ」)
これ、アナハイム・スタジアム…えー、ね?
今、大谷が(プレイしてる)…あすこでやったライブですね
えー、まああの…まっ、ウチのバンドのドラムの松藤くんがですね(笑)
えー、まっ『踊れるドラミング』みたいなことをいっぱい言ってた訳ですよ
で、その前に、僕が『結局、リンゴ・スターはシャッフル系で
チャーリー・ワッツは16(ビート)なんだよね』って言ってたら
『踊れるドラミング』って言ったんで『それは、リズムの説明になってないだろ!』って
俺は心の中で『お前、なに言ってんの!?』って思ったんですけど
その『踊れるドラミング』っていう(笑)言い方を…やっぱアレなんですかね?
ギタリストがギターの説明、あんまりしないのと一緒で
ドラムもやっぱり、自分の…ナンか自分がその楽器やってると
あんまり詳しく説明したくないのか?したがらないのか?
…っていうよりか、突き詰めないんですよね、ナンか…」
…と、ナゼか、ご本人のいらっしゃらないトコで、それも2日遅れのご不満ぶりでしたが(笑)
松藤さんは「踊れるドラミング」…というか
「観客全員を踊らせるようなつもりで叩いてる」
…と「チャーリーが言ってた」っておっしゃっただけだったような気が…?(笑)
確かに、リズムの説明には、なってないかも知れませんけど…(苦笑)
「で、あのー、結局、その…フツー、8ビートってあるでしょ?
『チッチッタッツ、チッチッタッ』ってね、これ、フツーなんですよ、日本人が叩くと…
で、リンゴ・スターがナンで上手いかというと、そこへ三連が全部入ってて
『トゥトゥトッ、カッカッカッコココッ、カッコココッ』って、三連が全部入ってて…
で、更に…それは上手い8ビートのドラマーなんですけど
更に、それに2拍4拍の…1小節の2拍と4拍の裏にアクセントつけると…
『デンデンドッドッ、カッココココ、カッココカッココ、ココカッコッコ』ってこう…
2拍4拍の…えー…にアクセントを付けると、16に感じるという、ハイ
で、チャーリー・ワッツは、4ビートをやってた人なんで
やっぱりそう…フツーの8(ビート)じゃなくって
そこに2拍4拍の…えー、アクセントをどうしても付けるんで
だから、そういう…こう…ナンか鋭敏な、ね?ドラミングになると…
えー、だから、ナンて言うんですかね?
ビートルズは、その…リンゴ・スターも、8ビートは相当上手い…相当上手い人なんですけど
アレ、やっぱり、アクセント…全部ね、付けてんのは、全部ポールなんですよ
ポールのベースが、あの16っぽい感じを出してるんで…
だからまあ、ビートルズはもう昔から…4チャンネルしかない時から
1回録ったあとに、ベースだけ録り直すと…えー、恐ろしい…(笑)
だから、4トラックしかないっていうことは、ベース録り直すってことは全部…
大体、ドラムをピンポンして、1つに大体まとめて、で、ベース録って
えー、ミックスするというような、ナンか恐ろしい技術を…
それは、プロデューサーが、ジョージ・マーティンなんで、クラシック上がりの人なんで
恐ろしくバランス感覚良いんで、えー、それが出来たと思うんですけど…
まっ、だから、えー、ビートルズがどーの、ストーンズがどーのっていう訳じゃないんだけど
ストーンズを聴いてると、この16っぽいビートのチャーリーのグルーヴの仕方が
キースとピッタリ合ってるんで、えー、まあそこで、やっぱり分かれるっていうかね、ハイ
ビートルズは、僕はやっぱり、ベースしか聴いてないもんね、どっちかって言うと…
えー、ストーンズはホント、グルーヴがもうスゴイんで
そこで、ナンかやっぱ、ストーンズに持って行かれる感じですかね?ハイ
まあ、そういうことで…今後、心配なのは、こう…キースがもう辞め…
ひょっとしたら、もうチャーリーがいないんで…チャーリーがいるから、キースがやってたんで…
えー、まっ(ドラマーが)スティーヴ・ジョーダンになって、どうなるのか?ということでね」
…と「セイヤング」の時より更に詳しく語っておられました
今回のツアーに関しては、予定通りジョーダンのドラムで回っているようですが
今後もチャーリーの抜けた穴を補いながら「ストーンズ」としてやって行くのか?
それをファンがどう受けとめるのか?という点に注目している我が家の住人(苦笑)
フレディ亡きあとのQUEENもそうだったけど
やはりメンバーが代わると、ある意味「違うバンド」になるとはいっても
オリジナル甲斐バンドから3人体制へ、そしてまた4人になって、解散、再結成
大森さんが亡くなられて、また3人に…といった変遷をずっとリアルタイムで観て来て
今も万難を排して(笑)ライブに足を運んでいるんだし
きっとストーンズファンの皆さんも、彼らがライブを続ける限り
ライブに行こうと思っておられるんじゃないかと…?