「KAIFIVEを好きな人たちの口から、いつも出て来る曲の1つ『四月の雪』から始まって
やはり、冒頭2曲は(鈴木さんと)2人でやり
3曲目『薔薇色の人生』で、木村くんの弓弾きベースが入る訳ですが
このバージョンもオリジナルを超えたオリジナリティが出ています」と甲斐さん
このバージョンは、基本的には(甲斐バンドによる)オリジナルよりも
(甲斐さんのソロアルバム)『翼あるもの』のバージョンを踏襲していて
それは、エレキギター2本に、ドラム、ベース、フィドルという
すごく豪華なセッションでやってますが
それとは違うやり方なのに、こんなにすごい出来上がりになっている
それは、まず健太のフィンガリングが、そして木村くんの弓弾きのWベースがすごいからです
2人でやってるんだと思うと恐ろしいくらいですよ(笑)
加えて、2016年の『二色の灯』で、彼らは自信をつけたんです
良いアレンジが出来れば、この2人で出来るという感触を持てたから
そのアプローチが違う形で、ここにまた新しい成果を生み出したということですね」
…と分析なさってますが、当時のインタビューでも
「毎回フレーズを変えるというようなことではなくて
ある程度決まっている大枠の中で、どれだけ自分の感受性を表現するか
どれだけ自分のビートを入れ込むか…ということに邁進しているというか
そのことをすごく考えながらやってるということです
で、そうやって実際のステージを経験すると、メンバーにとってすごい自信になるんです
1年目の木村くんと2年目の木村くんは別人のようだったでしょ?健太もそうだし…」
…って、少なくとも松藤さんは1年目から
「木村くんのベースはすごいですね、100点満点ですよ」と絶賛なさってましたけど…(笑)
「場所や季節は同じであっても、毎回そのステージは違うものです
同じ時期に同じ会場でやるんだけれども、同じアプローチはあり得ない訳だから…
1年という時間が流れて、その間に人の気持ちも変わっているし、取り巻く状況も違ってる
ただ僕らは毎回『勝負する』という強い意志を持ってステージに上がります。それは変わらない」
…と、おっしゃっていて、この「バンド」が年々進化して来た理由が窺えます
「6曲目の『影』もKAIFIVEのナンバーで
ビルボードライブのメンバー構成では絶対ムリだと思われる複雑なサウンドですが
ここでは言わば『ロッド・スチュワートとトレイシー・チャップマンの幸福な結婚』
…という感じに仕上がっている
ビルボードライブのメンバーで作る独特の世界観が息づいているから
この演奏は、どこの会場でも拍手がものすごかったのを覚えています」
…と振り返っておられるんだけど、我が家の住人には当てはまらないみたいです(苦笑)
それはさておき…「8曲目『呪縛の夜』は
前年の『デッドライン』と全く同じ考え方で、弾き語りで完成していたものを
このメンバーのアンサンブルにどう結びつけるかをポイントに取り組み
前年を上回る理想的な融合を果たしています
特に健太のボトルネックは、ジョニー・ウィンターがライブ盤で聞かせてるような白熱の演奏です
そして、この年には『冷血』のような曲をもう1曲作り上げる必要があると思って
『非情のライセンス』を選びました
フィドルをフィーチャーした、このスタイルでやると
例えば、ボブ・ディランのアルバム『欲望』の『ハリケーン』や『コーヒーもう1杯』のように
こういうマイナー調の曲が、より際立つんですよ」と話されてますが
以前に甲斐さんが、幼い頃によく口ずさまれていた「ヨット」という曲について
「こういうマイナー調の曲が好きな子供ってどうなの?(笑)」とおっしゃった時に
かつて、エレクトーン教室の発表会で、迷うことなくこの曲を選んだ幼稚園児(笑)は
「やっぱり問題あるんだ…(苦笑)」と苦笑いしたらしいんだけど(笑)
その幼稚園の頃に観ていた(笑)「キイハンター」の主題歌を気に入り
ン十年経って、甲斐バンドがカバーされた時に、歌詞がスラスラと出て来た辺りは
やはり、人格形成上、何らかの影響があったんじゃないかと…?(笑)
ちなみに…「ハリケーン」と「コーヒーもう1杯」は
ディランの曲の中でも、かなり好きな曲なんだとか…(笑)
ともあれ…「こうして見通してみると、2016年からの良い形での変化というか
クリエイティビティの度合いが、加速度的に増して来ている
そのエネルギーを浴びている感覚をすごく感じますね」と甲斐さん
「最後に、ここで何故この5年間のコンプリートBOXを出すことにしたかと言うと
2020年と2021年の甲斐バンドのメンバーが入ったビルボードライブは、別物ですよということです
この5年間のシリーズが更に続くのは、2022年からです
いったん、甲斐バンドのメンバーが入ったステージを経験したことで
2022年からのステージで、更に意欲的に野心的にやって行くことは間違いないです
だからこそ、ここまでの5年間をまとめたコンプリートBOXを
まずは、心ゆくまで楽しんで下さい」と結ばれてます
これまで、甲斐さんは「バンドは予定調和、ソロはチャレンジ」という風に
その活動の内容を表現なさってましたが
ソロ活動で得られたものを、バンドにフィードバックなさるのが主流でいらしたのを
昨年は、45周年プロジェクトのファイナルだった赤レンガ倉庫ライブに向けて
甲斐バンドのメンバーのお二方と共に、フィードバックなさりたかったのかなあと…?
まあ、昨年はコロナ禍によって、ビルボードツアーはいったん延期の上、敢行されたものの
赤レンガ倉庫ライブが1年延期となったことで
今年は、そのフィードバックの「仕切り直し」という形での開催かと思われますけど
その自粛期間中に、このビルボードライブツアーや
Pleasure・Pleasureでの甲斐バンドのアコースティックライブの映像を再編集されたり
「死んでもヤダね!(笑)」とおっしゃっていた動画配信に着手なさったり…と
アニバーサリーイヤーにコロナ禍が重なった結果
コンプリートBOXリリースというのは、ある意味で必然だったんじゃないかと…?
余談ですが…木村さんが、このコンプリートBOXのリリースにあたり
「私は2016年から4枚に参加しております
当事者だからかも知れませんが、進化の過程を追体験できるような
甲斐さんのライナーが面白かった」とツイートなさってましたけど
緻密な演奏上の技術面や「新しい扉を開いたような感覚」などは
我が家みたいなイチ視聴者には計り知れなくても
2015年から順に、その変遷を拝見して行くことで
奥さんが、リアルタイムで観たライブでは気づかなかった
「何か」は発見できるのでは?と期待しております♪