甲斐さんは「九州少年」の中で
高校受験のために通われた塾の先生から
「本当の[自信]というものを教えて貰った気がする
どんな境遇であろうと迷うな
目指したものをひたむきに追求しろ
勝つことにも負けることにも同じ意味がある
彼はそう言っていた」と記されてますが
五輪の舞台で、目指したメダルを手にすることの出来る選手はごく一部
その明暗を分けるのは、技術か?メンタルか?時の運か?
レスリング男子グレコローマンの太田忍選手は
大会直前の国際大会での成績には関係なく
「金メダルを取る」と宣言なさって
「根拠なき自信」と叩かれたそうだけど(汗)
銀メダルに終わった決勝戦の後におっしゃった
「世界で2番目の練習しか出来なかったということ」との言葉が
誰にも負けないほどの練習を積んで来られたのを
自信になさっていたことを物語ってます
ラグビーW杯で、エディ・ジャパンが
「質・量ともに世界一の練習」を重ね、自信に繋げた結果
世界を驚かせたのと同じですよね
ただ、エディ・ジョーンズ氏は
「もう一度起きえないこと」が「奇跡」ならば
日本が南アフリカを破ったことは「奇跡」だが
「厳しいトレーニングをし、自分たちを信じることが出来たなら
目標を達成できることが判った今
同じ状況は起こりえない
私自身が経験したことで、奇跡と思ったことはない
やること全てに意図を持っている
集中して賢く努力し、少しの運を呼び込めば
全ては実現出来なくても良い結果は望める」と話されていて
これは、今回の女子レスリングで起きた
「3度の終了間際での逆転」にも通じます
あの3つの金メダルは「奇跡」ではなく
「終盤に負けていることを想定し
一気に得点を奪いにいく」練習の賜物だそうだ
残り1分で4点差なら、残り30秒で2点差なら、残り10秒で1点差なら
…と、残り時間に応じて、どういう技が必要かを考えて
練習に取り組んで来られた結果なんだとか…
ある意味、吉田沙保里選手が敗れたことの方がミラクルです(汗)
というより、この人が負けるなんて想像したことがなかったし…
でも「絶対女王」の背中を追って来たのは、可愛い後輩たちだけじゃなく
ライバル選手たちも観察し、研究し、いかに倒すか戦略を立てて
この日に挑んでいた訳で、やはり「奇跡」ではないんでしょうね
それにしても、銀メダルで、世界2位で
あんなに謝らなくてはいけないとは…
イヤ、我が家も含めて「勝って当然」という期待を背負わされ
ご自身の悔しさや悲しさよりも
責任感の強さが真っ先に立ってのことだと思うんだけど
少なくとも我が家の周りには「謝らないで!」という人しか居ません
まあ、ご自身が落ち込んでいると「他のみんなが喜べないから」と
笑顔を見せられるのも痛々しいんですが…(泣)
伊調馨選手は、今回の日本選手団主将を始め
テレビやイベント出演などの負担が吉田さんに集中したこと
…ご自身はレスリング以外のことに時間を取られ
ペースが乱されるのを疎ましく感じていらしたため…
を、申し訳なく思っているとコメントされてたけど
吉田さんは、敗因をそんなことのせいにはなさらないんじゃないかと…
ちなみに、このお二人が最後に練習で戦われた際
吉田選手が伊調選手の片足を取って
タックルされたものの伊調選手が倒れず
両者譲らないまま、壁に激突(汗)
「これ以上やったら怪我をする」とコーチ陣が制止したらしい
野村忠宏さんは…
アテネで初優勝してから12年、体力も徐々に衰えて
理想と現実の差の広がりは、本人が一番判っていただろう
特にロンドンからリオまでの4年は
「心と体が苦しかった」と言っていた
だからこそ、同じ挑戦は出来なかった
常に変化を求め、戦う理由を探し
新しい強さの形を追い求めたのだと思う…とおっしゃってるんですが
ご自身も「現役の晩年は衰える肉体に苦しみ、もがいた
でも、やり抜いた人間だけが見える素晴らしい景色がある」とも話されてます
余談ですが、この吉田選手の決勝があった日
夜中ずっとテレビを点けたまま、本を読んでいた奥さん(苦笑)
たぶん?川井梨沙子選手の試合だったらしいんだけど
解説の吉村祥子さんが「頭を下げるな!」という意味で
何度も「目線を上げて!」と叫んでおられたのを聴いたそうだ(笑)