ハードボイルドだど♪その3 | ボクの奥さん

ボクの奥さん

ボクの奥さんは、半世紀に渡る甲斐よしひろさんファン。このブログは、主に彼女の『甲斐活』について綴っております。

甲斐さんが選んだハードボイルド100冊の中に
トニー・サンチェスの【悪魔を憐れむ歌】が入っている

【ストリート・ファイティング・マン】と共に
小学生だった甲斐さんが影響を受けた
ストーンズの名曲です♪

これらの曲について話す時、甲斐さんは決まって

『音楽で世の中を変えられるとは思っていない
だけど変わるヤツはいると思っている。自分がそうだったから』

『音楽で何かを作り替えることはできない
でも価値観っていうのを吹き飛ばすことはできる』

とおっしゃっていたらしい(笑)

それくらい衝撃を受けたということなんでしょうね

ご自身もストーンズ以上に過激な歌を歌いたい

政治の歌を端的に歌うことが
自分に一番合っているんじゃないかと考えておられたそうだ


でも、東京に出て来られてから
神田の舗道に敷石がない理由を知って

俺たちは火事場の跡に来たんだなと感じたという

焼け野原に立たされて
今から何をすればいいんだ!?と思われたらしい

甲斐さんはご自身のことを
『60年代のしっぽ』とか
『遅れてきた全共闘少年』と言われてたんですよね(笑)


ともあれ、このことがきっかけで
社会や政治が垣間見えるラブソングを書くようになられたそうだ

【風が唄った日】【からくり】
【嵐の季節】【三つ数えろ】【漂泊者】等々…

思い浮かべながら資料を眺めていたら…

【風が唄った日】は周りのことを歌っていても
本当は自分のことだけの自閉症的な歌(苦笑)

と話されているのを見つけて
まだまだ修業が足りないなぁと…(汗)

【漂泊者】を書かれた時は

一生の間にあと何曲こんな曲が書けるだろう
と思われたそうですが

その当時から甲斐さんは
日本には男性の書き手の『スタンス』がないと
感じておられたらしい

甲斐さんいわく…

政(まつりごと)の部分
いつも日常生活を脅かされている部分では
ほとんどの男は書ける

でも、ベトナム戦争も徴兵制度もない国で
露骨に政治が自分たちの文化に入り込んでくる訳じゃない

音楽もハードボイルドも
最終的には命と密接に関係している国ではないけど

てめえの血管みたいなものを切る作業は出来るから

自分の目線、自分が書ける部分で
目一杯パーフェクトにやろうとしている


【漂泊者】を書かれた後
ご自身の『スタンス』を全く入れかえたという

てめえが生きてて
毎日メシ食ったり、酒を飲んだり
女と会ったりっていう街がある

その街を、その街で生きる人間を
どれだけシリアスに描くか

生きてて活気のある街の音や声といったものを

まるで筋肉が見えるように
動脈も静脈もすべて見えるように書きたい

愛とか恋とか簡単な言葉でも言い表せる
太さを持ったものもあるけど

それじゃとても言い表せない
繊細で機微のある情感というものに
興味があるんだと話されてます


奥さんによると…
サンストへ投稿されたハガキに

甲斐さんたちの世代には
刺激的な出来事がたくさんあって
新しい音楽もいっぱい出て来たけれど

今の自分たちの時代には何もない
平和で平凡で単調な毎日だ

といった内容のことが書かれていたらしいんだけど

甲斐さんは
毎日が平凡なら、その『平凡』を書けばいい

どんな時代だろうと
そういう日常的なことを書くのは
その時代の人間にしか出来ない

と話されていたという(笑)

人を好きになったら
それだけで100曲は書ける
失恋したら、その倍は書ける

という名言もその時に口にされたそうだ(笑)