上越市 中川市政と市議会の延々と続くギクシャクを考える | 地方都市は死なず! 滝沢いっせい ブログ爽創通信  *09016693890*kpissey@rf6.so-net.ne.jp*

地方都市は死なず! 滝沢いっせい ブログ爽創通信  *09016693890*kpissey@rf6.so-net.ne.jp*

上越市議会議員滝沢一成のブログです! 日々感じたこと、考えたことを、できるだけ素直に書いてゆきます。
滝沢一成のテーマは「雪」「老い」「貧困」、これらを追及します。

中川市長就任から1年半。これまでを振り返ると、初期に市長から提案された副市長4人制と政策諮問委員会設置を我々議会が認めなかったことが、今だに一部の市民の皆さんの中で燻っているようです。

▼この際、私の考えを書かせていただきます。

▼言うまでもなく、市議会の役割は、行政(市長)を監視し、その暴走を抑え、怠慢を糺すことにあります。

その手段は、議会での議論を通じて行政(市長)自身に修正を促す、修正に応じない場合には、議会側から修正案(問題となる部分を削ったり、加えたりする案)を出す、場合によっては否決をするなどの方法があります。

市議会の役割として、もうひとつ挙げなくてはいけない「立法」は、市政を補うために必要な機能です。(上越市議会はここが弱いのですが、その件はまた別の機会に)

▼市民の皆さんもご存知の通り、中川市長が就任からまもなく提案してきた副市長4人制と政策諮問委員会の設置は、それぞれ議会で否決(4人制)、市長から取下げ(政策諮問委)されました。

その理由は、それらの設置がなぜ必要なのか、市長から充分な説明がなかったからということに尽きます。

▼唐突に出してきたからだめだ、ということではありません。唐突でも筋が通っていれば、認めるところです。
中川市長誕生はある意味革命のようなものですから、それくらいの覚悟は議会側にもあったと思います。
しかし市長からの「なぜ必要なのか」という説明が、本会議場での総括質疑、一般質問、委員会での質疑の場で圧倒的に足りていなかったのです。

▼私たちは、まず否定ありきで動いているわけではありません。市長がやりたいことに理があれば、我々自身の思想信条と異なっていても諾と判断します。
その理が、幾度質しても分からなかったということです。

▼市長は、副市長4人制についてはそのまま議決にかけましたが、政策諮問委員会については自ら「拙速だった」「仕組みを練り直して再度提出したい」と申し出をされ取り下げられました。市長も納得したということだと私は解釈しています。

▼議会には、自民党から共産党まで(所謂右から左まで)幅広い思想信条を持っている議員がいます。
そのうち、議長を除いてひとりの議員以外、全員がこの2つの市長提案に反対しました。
政策諮問委員会設置は議決に至りませんでしたが、議論の中で圧倒的多数の議員が反対、副市長4人制は否決しました。
なぜ市民の代弁者である議員がほぼ全員認めなかったのか。そこをこの件で議会を批判している皆さんにもお考えいただけたら幸いです。

▼市長が市民に負託されているのと同様、議員もまた一人ひとり市民に負託されています。数万票と数千票の差は当然あるにせよ、市民に選ばれた立場であることにかわりはありません。
市長の判断同様、議会の判断も重いものです。そのバランスが1:32でちょうど釣り合っているのです。
選ばれた市長の提案に反対するなというのは、市長与党になれ、何でも賛成しろという「悪しき旧弊」に等しいものです。

▼さてとりとめなく書いてきましたが、最後に、今の私の考えを書きます。

▼副市長4人制も政策諮問委員会もない状態でここまできました。いまのところ市長から再度の提案もありません。
ただこの4月から行政は大幅な組織改編を行いました。
その有りようから慮るに、四つの大きなグループが形成され、明らかに副市長4人制への助走に入ったと私は見ています。
つまり言葉では何ら説明をされていませんが、行政が組織として4人制への移行を定めてきたということです。

▼それは市長ひとりの思いという段階から、行政の集合知として理屈の通る段階に入ったとみることもできます。
説明はこれからでしょう。それが、先に書いた「理がある」ものであれば、否定するものではないと私は考えています。

▼政策諮問委員会は、当初「ひとりの委員から始めたい」というめちゃくちゃな説明だったことから、誰しも疑問を持ったわけですが、取下げ後検討される中で、人数が増えていったと聞いています。ここに至って、機が熟してきた気配です。
専門家の知識を大いに参考にすることには賛成します。
したがって政策諮問委員会の設置については認めても良いと考えています。もちろんしっかり説明を聞いた上で判断します。とくに政策諮問委員会の役割と権限を明らかにしていただく必要があります。

▼基本、市長はやりたいようにやればよろしい。
ただし市長行政だけではブレーキのない暴走車になりかねません。
議会というブレーキとアクセルをうまく使って、上越市を良い方向に導いていっていただきたい。そこをご認識いただき、伸び伸びと役割を果たしていただけたらと思います。