がっかりしている。
辰吉丈一郎が先日タイで無名ボクサーにTKO負けした。
序盤から圧倒され、ダウンを奪われての完敗だったようだ。
ご存じのとおり、辰吉は現在日本では試合が認められずそのまま引退選手扱いとなっており、厳密にはプロボクサーとは言えない。
コミッショナー(JBC)も健康面の配慮から辰吉の試合を組まないようタイに要請しているという。
がっかりしていると書いたのは、負けた辰吉に対してでもなく、頑なな態度のJBCに対してでもない。
辰吉の特集を明日TBSでやるということについてだ。
なぜJBCが反対している選手の特集を組むのか?
TBSもボクシング放映権を持っているのに、それはJBCに対する背信ではないのか?
本当に辰吉復帰の後押しをしたいのなら、JBCと喧嘩するつもりで特集を組めばよいのだ。
そこまでのつもりはなく、単に視聴率を取れるからというのが正直なところだろう。
そこに辰吉が利用されるのが非常にがっかりさせられるのである。
辰吉が自分の信念を貫きボクシングを続けることにどやかく言うつもりはない。
むしろ善悪ではなくそこには「信念」は確かに感じる。
だが、TBSには信念は感じない。
そこに感じるのは軽薄さだけである。
格闘技に力を入れている局だけに余計にがっかりさせられるのである。