四 季
長谷川 櫂氏 選&解説
<ひとつぶの砂にも世界を/いちりんの野の花にも天国を見/
きみのたなごころに無限を/そしてひとときのうちに永遠をとらえる> ブレイク
小にこそ大は宿る。常識をひっくり返すこの発想が、洋の東西を問わず詩の原点である。俳句もまたこの思想の賜物。18、9世紀イギリスの詩人ウィリアム・ブレイクの「無心のまえぶれ」最初の4行。寿岳文章訳『ブレイク詩集』から。
(はつと)
<絶頂が 奈落に変はる 土用波> 蜂谷一人
奈落は仏教でいう地獄。サンスクリット語(梵語(ぼんご))のnarakuを漢字で書いたもの。ここでは高々とせり上がっては、たちまち崩れ落ちる土用波をダイナミックに描く。真っ白な土用波の崩壊を繰り返しては夏は遠ざかる。
句集『四神』から。
<轟(とどろ)きの絶えずして滝あらはれず> 関谷恭子
山道を歩いていると、轟々と滝の音が響いてくる。やがて木々の奥から滝が姿を現すこともあれば、ついに見えぬまま遠ざかってゆくことも。そんなとき滝の姿を心に思い描くのだ。会いたいのに会えない人のように。句集『落人』から。
<折鶴に 八月の風 吹き入るる〉 花土公子
8月は12か月の中でとくに重い。厳しい残暑のせいだけではなく、広島、長崎の原爆忌、終戦忌(敗戦忌)と日本人全員で戦争犠牲者を悼む日が続くからだ。「八月の風」といえば追悼のこもる風である。句集『春の星』から。
<宮城野の 露吹きむすぶ 風の音に
小萩がもとを 思ひこそやれ> 桐壺帝
涙(露)を誘う宮中(宮城野)の秋風にも、若宮(小萩)はどうしているかと思いやられます。桐壺更衣が亡くなったあと、その母に送った桐壺帝の手紙の歌。母は終わりまで読み通せない。若宮(光源氏)は3歳。『源氏物語』から。
<五十年 はや過ぎたりき 愚かにて
無頼なりにし 歌びとわれは〉 前 登志夫
箸にも棒にもかからない、どうしようもない人間。「愚かにて無頼」を簡単にいえば、そんなところだろうか。ただ「愚か」も「無頼」も誇りの裏返しでもあるのを見逃してはならないだろう。人生80年の感慨。『前登志夫全歌集』から。
(てんこう)
<いろいろあら~な 夏の終りの 蝉の声> 川崎展宏
たしかに「人生いろいろあら~な」である。この句の「いろいろ」とは病気と明日にも訪れる死だった。それを笑って受け止める。腹の据わった俳人の人だった。82歳で逝去。その数か月前の句。「春 川崎展宏全句集』から。
(8月31日)
お医者様も看護師様もケアマネ様も交えない親子だけでの
「人生会議」
一方通行の人生会議でしたが、お互いに分かりあえてます
から、みんな納得の遺言だったかな…と思います。
折に触れ、何かにつけて後顧の憂いなきようにと、この私
息子達、娘達に発信してますのよ。Www
人生100年時代とはいえ、80も半ばになりますと、不測の
事態に備えておかなければなりませんからね。
本日は日曜日 皆さま穏やかな一日となります様に!!
義息子一家とランチ&買い物へ
末孫娘19才の運転に初乗りしましたよ!
いつもありがと~ 感謝してます