友人・フーチャン💛 より

 

 

     夫 亡くなる1年と1か月前の父の日 

     家族一同が集まってくれましたよ。

    (昨日出させて頂いたのは亡くなる1か月前のものです)

 

 

 

 

       2015年6月 携帯電話にて撮る

 

 

 

よい句ってどんな句?

理屈を離れ あたたかみ

 

江戸時代の俳人・与謝蕪村がある夜、句会の帰りに嵐に遭い馬提灯を持って来ればよかったとぼやく。馬に乗る時に腰にさす提灯(ちょうちん)で、風にも飛ばされない。ところが一緒にいた炭太祗(たんたいぎ)は、何が良くて何が悪いかなど事前に分からないから、考えてもムダだと反論する。

 

蕪村は、計画を立ててことに臨みたい性格。出たとこ勝負なのが太祇。蕪村は、親友の太祇の理屈にとらわれない作風がその性格からきていることに気づいた。

 <移す手に光る蛍や指のまた>  太祇

つかまえた蛍を、別の人に渡したら、今度はその人の指のまたで蛍が光りはじめた。素直で温かみのある太祇の作品を、やや理屈っぽい蕪村は、尊敬していたのですね。

 

    (2024・6・19 KODOMOの俳句 から)

 

 


 

                      2015年6月

 

 

四 季

長谷川 櫂氏 選&解説

 

<亡命の貴族やあわれロシアパン

      車を曳いて立ち去りにけり>   福島泰樹

偉大な明治と混乱の昭和。間に挟まれて大正は大転換の時代だった。ロシア革命(大正6年)が起こると多くのロシア人が世界各地に亡命した。その一人だろう、慣れない放浪の苦難にどう耐えたか。歌集『大正十二年九月一日』から。

 

                         かや

<冷素麵(ひやそうめん)まだ許されし命あり>  山田 榧  

見ず知らずの人の俳句や短歌を読むとき、どんな人だろうと想像する。この「ゆかしさ」が句や歌にとって大事。冷素麺をすすりながら、許されて生きていることに感謝するこの人は? 言葉はその入り口に過ぎない。句集『音合せ』から。

 

 

<ひらがなの ゆの字の楽し あたらしき

       万年筆にて ゆを書きつづく>  富田睦子

ゆれ、ゆらぎ、ゆらめく。岩石のような漢字に比べて、ひらがなは空気のよう。横に綴るアルファベッドもアラビア語もひらがなよりは不自由か。この歌、もっとも優雅な「ゆ」にすっかり魅了されている。歌集『声は霧雨』から。

 

 

<おぼつかな 誰に問はまし いかにして

       はじめもはても 知らぬわが身ぞ>   薫

私はどのようにして生まれ、これからどうなるのか。誰に尋ねればいいかわからない。光源氏の子とされる十五歳の薫

(実は柏木の子)が独り言のようにつぶやく歌。彼が苦しんでいるのは人間の根源的不安。『源氏物語』匂兵部郷から。

 

 

<私はお前達にこの菫(すみれ)を、

 また百合や他の草花を、>       デュ・ベレー

デュ・ベレーは16世紀フランスの詩人。ある夏の日、若き

詩人のロンサールと出会って人生が一変する。麦畑を吹く風(お前達)に百合も薔薇も白頭翁(おきなぐさ)も捧げると歌う。吉田健一訳詩集『葡萄酒の色』「麦を打つものが風に言った」から。

 

 

<「戦争は悪だ」と歌いし 柊二(しゅうじ)師の

    身はボロボロと なりていましき>   奥村晃作

作者は若くして宮柊二に短歌を学んだ。晩年の歌<中国に兵なりし日の五ヶ年をしみじみと思ふ戦争は悪だ>

40年もの歳月を超えた作者の心にありありと蘇る。病を抱える師の姿とともに。歌集『蜘蛛の歌』から。

 

 

<茴香酒(あぶさん)のごとき ひとすぢ

    つと引きつ、切りつ、忘れつ。>   北原白秋

アブサンは緑の薬草酒。古来、主原料のニガヨモギにアニスやフェンネル(茴香(ういきょう))を加えてヨーロッパで作られてきた。白秋が描くのはガラスを切る場面。「色あかき硝子の板」に緑の線がぴっと走る。『北原白秋詩集』「硝子切るひと」から。

 

 

 

友人・フーチャン💛 より

 

 

今日は整体の日なんですよ。雨は苦になりません、遅い時間の予約ですから、帰りにデパート等への寄り道は控えたいと思ってます。カンカン照りよりも、雨がシトシト降る中の方が身体的に良いですね。

 

 

 

           2015年6月

 

 

                         今日の一枚です