亡くなる2ヶ月前の夫…いっときの安穏な様子を綴ってます

 

 

 

           2021年5月

 

 

医療ルネサンスから

夜間頻尿

診療指針の作成委員長を務めた

桜十字病院(熊本市)上級顧問・泌尿器科医長

吉田正貴氏 に聞く & 他シリーズから転記 

 

ハートのバルーン夜間頻尿とは

排尿のため夜間に1回以上起きる。年齢が上がるほど患者の割合は高くなり、起きる回数も増加する。安眠が妨げられ、転倒・骨折する危険性も高くなる。

 

 

ハートのバルーン原因は

①尿の量が多い「多尿・夜間多尿」

水分の取り過ぎのほか、心不全慢性腎臓病などが原因。

(夜間に作られる尿量が多すぎて起こる夜間頻尿は、心不全睡眠障害のほか、降圧薬では国内で最も多く使われているカルシウム拮抗薬の副作用などでも起きる。他の領域の医師たちと連携して治療していくことが大切

夜間頻尿の中で最も多い夜間多尿」は「加齢によって起きる抗利尿ホルモンの分泌の低下などが主な原因」(診療指針作成委員;山梨大泌尿器科教授・三井貴彦(56歳)氏)とみる。

このホルモンは腎臓で水の再吸収を進め、夜間の過剰な尿生産を抑える役割がある。このホルモンと同じ働きをする薬がデスモプレシン。

 

②尿をためておく機能に問題がある「膀胱蓄尿障害」

前立腺肥大症(「α1遮断薬」などが有効とされる)過活動膀胱(「β3作動薬などが使われる。排尿が我慢できずに少量の尿を漏らす「切迫性尿失禁」)などの病気。

 

③眠りが浅く夜間に目覚める「睡眠障害」

不眠症睡眠時無呼吸症候群

クローバー無呼吸ーー重度の場合=鼻に装着したマスクから空気を

送り込んで気道を確保する「CPAP(シーパップ)療法

クローバー心不全患者は国内に約120万人居り、その診断基準の一つが夜間頻尿の有無。夜間頻尿の原因としては、心不全、高血圧、糖尿病、薬の副作用など。(鹿児島大心臓血管・高血圧内科教授;大石充氏)

 

 

ハートのバルーン2020年に「第2版」が作成された診療指針の狙いは

(11年ぶりに改正)

病気を担当する専門医との連携を強めること。

泌尿器科医師に強く勧める「排尿日誌」は診断の基準となる。

 

 

ハートのバルーン夜間頻尿を治療するには、生活習慣の改善も効果がある

(脳卒中予防に水分を摂るという効果の明確な証拠はない)

宝石ブルー夕方以降に水分を摂り過ぎず、宝石ブルーアルコールやカフェインの接種を控える。

宝石ブルーウォーキングなど適度な運動(行動療法)。宝石ブルー塩分を取り過ぎない。宝石ブルー禁煙。宝石ブルー夕方に足を高くして横になる。宝石ブルー膝から下を締め付ける弾性ストッキングの着用。等の生活指導。

 

19年に発売された夜間頻尿の治療薬「デスモプレシン」

けいれんや錯乱を起こす低ナトリウム血症など、注意すべき副作用もある。

心不全や腎機能低下などがある患者には投与できない。

「使用できる患者の幅が狭いことが課題」(三井教授)

女性の臨床試験では有効性が示せなかったため、男性のみの治療薬。海外では男女ともに使える。「女性も使えるように学会としても万全を尽くしたい」

 

 

    (医療ルネサンス シリーズ1~5より転記)