八重ドクダミ

 

 

 

 

 

 

 

北陸の伝統的工芸品 復興の光

 

能登半島地震発生から4か月半、被害を受けた北陸の伝統的工芸品の生産地が、復旧、生産再開に向けて歩み始めている。輪島塗、七尾和ろうそく、能登上布などーーー

 

 

    ハートのバルーン 七尾焼ろうそく(石川県七尾市)       

 

 

石川県指定の稀少伝統的工芸品「七尾和ろうそく」

 

江戸時代、領主の前田家が各地から職人を集めた「蠟燭座」をつくり、ろうそく作りを推奨したのが始まり。江戸時代から明治にかけ北前船の寄港地でもあったため、各地の原料を取り寄せ、出来上がったろうそくを各地に出荷した。

 

和ろうそくは植物の実などから取った蝋(ろう)と、芯に和紙などを使った日本古来の手作り。

中心の空洞から空気を吸い上げる構造で、炎が大きく風に強く、煙が少ないのが特徴。

ただ、石油を原料とする安価な洋ろうそくが主流となり、和ろうそくの生産は全国で激減。石川県では1892年創業の高澤商店1軒だけになった。

 

 

 

    ハートのバルーン 能登上布(石川県羽根咋市)

 

 

 

      職人によって丁寧に制作されていく「能登上布」

 

 

 

     セミの翅(はね)のような透けが美しい

 

 

(石川県は国指定の伝統的工芸品10種を含む多くの工房、職人が制作の場を失い、住む場所にも不自由を強いられている。唯一の生産者として伝統を守り継ぐ、七尾和ろうそく

能登上布は全国からの支援の注文に応えようと制作を再開した。)

 

能登上布は上質のを原料とし、最高級の夏着物に仕立てる石川県指定の稀少伝統的工芸品。「山崎麻織物工房」(羽咋市)は唯一の織元として生産を続けている。

 

能登上布は約2000年前、崇神天皇の皇女が中能登地方で機織りを教えたのが起源と伝わる。

 

能登上布は1着の着物を仕立てる着物地1反が、20万円以上する高級品。これからはハンカチやブックカバー、お守り袋など小物にも力を入れていきたい。

 

       ☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆

 

 

(壊滅的な打撃を被った珠洲焼、輪島塗は、展覧会を開催して健在をアピールし、危機を生かして再建へ歩み始めた。

九谷焼赤絵作家は、地震後に入門した若い後継者に未来を託す。官民の支援を支えに生産地の復活への長い道のりが始まった)

 

       ハートのバルーン 九 谷 焼(金沢市など)

 

 

極細の線で描く赤い上絵が福島武征氏(79)の作品の特徴。

 

福島氏は明治期に盛んとなった赤絵細描を受け継ぐ第一人者で、石川県の無形文化財保持者でもある。

 

ベンガラと呼ばれる顔料を使い、小紋、花鳥、風月、人物などを白磁の表面に描く。「一粒の米の表面に『南無阿弥陀仏』と書くことが出来ます」

 

 国指定の伝統的工芸品「九谷焼」は金沢市、小松市、加賀市、能美市で生産され、五彩(赤、緑、黄、紫、紺青)と呼ばれる色鮮やかな絵付けが特徴の磁器。

 

 

 

      ハートのバルーン 輪 島 塗(石川県輪島市)

 

        震災後に新たに制作。

 

能登半島地震で甚大な被害をうけた輪島塗の作品展「WAJIMANOMIRAI輪島の未来のために」が、4月、東京・日本橋三越本店で開かれた。輪島市の漆芸家、古込和孝氏(46)が呼びかけ、15業者が出展。木材から器の形を生み出す木地師、金粉や銀粉で模様を描く蒔絵(まきえ)師、製品の企画制作を総括する塗師(ぬし)など、被災や置かれた状況がそれぞれ異なる人々が思いを一つにして参加した。

 

 

 

       ハートのバルーン 珠 洲 焼(石川県珠洲市)

 

 

石川県指定の伝統的工芸品「珠洲(すず)焼」は珠洲市内約20か所の窯が大きな被害を受けた。しかし、こんな時だからこそ全国に注目してもらえる大きなチャンスと作家の篠原敬氏(64)は展覧会開催などに奔走している。

復興を願って国内外から寄せられた多くのメッセージを力に約30人の仲間と無事だった作品を持ち寄り特別展を開催した。(金沢市内にて 5月3日~5日)

 

珠洲焼の歴史は平安時代末期から室町時代後期まで遡る。

釉薬を使わず1200度以上の高温で酸素の少ない状態で焼き上げ、特徴である灰黒色を出す。

 

   (2024・5・5 紡 紡ぐプロジェクトから)

 

 

 

 

   我が家の赤九谷(祖父母より譲り受けました)