壊してしまった祖父母からの遺品💧
こちら「煙草盆」は健在なり
東京大学は、女性や障害のある学生・教職員らへの支援を強化するため、4月1日付で学内に「多様性包摂共創センター」を設置した。女性や障害者の支援だけでなく、研究機関も設置。ジェンダーや障害などを専門とする約40人の研究者が所属し、関連分野の研究機能を強化し、最先端の研究成果を発信していく方針。
2026年には同センターが入る「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)棟)(仮称)を建設予定。
「センターの活動を通して、開かれた学問の場を創造し、社会の多様性と公正性をリードしていきたい」
東京大学が南米チリの高地(標高5640㍍)に建設を進めていた「アタカマ天文台(TAO)」が1日、計画開始から26年かけて完成した。「標高世界一の天文台」
世界最大級となる口径6・5㍍の大型赤外線望遠鏡を備え、宇宙誕生初期の遠い天体が放つ赤外線も捉えることができる。
高地にあるため、空気が乾燥し、観測を妨げる水蒸気が少ない。晴天率も高く、観測に適している。
建設計画は1998年、吉井譲・東京大名誉教授(宇宙物理学)が中心となって始まった。
(上記2点 2024・5・2 讀賣新聞から)
人生案内 小川仁志(哲学者)回答から
どんなに素晴らしいものでも、人間である自分が問題だらけのものに変えてしまう。あるいはその逆で、どんなに問題だらけのものでも、人間に手にかかれば素晴らしいものに変わりうる。
古代ギリシャの哲学者プロタゴラスが早くから指摘していた
「人間は万物の尺度」。この言葉の意味は多義的だが、現実とは別に自分の解釈で物事を決めてしまう人間の性質を表現している。
言葉のテクニック 自然の姿を拡大観察
小さな草花や生き物を拡大して捉えるのは、俳句の伝統的な表現法。
<翅(はね)わつて てんたう虫の 飛びいづる> 高野素十
普段は気づかない発見が、おもしろい俳句のタネとなる。
米国の海洋生物学者・レイチェル・カーソンは著書;『センス・オブ・ワンダー』の中で、子どもたちに虫メガネで小さな生き物の世界を覗いてみるよう勧めている。
カーソンは自然の不思議さに驚くことができる感性が、地球の未来を明るくすると考えた。俳句はこうした感性を育むために、ぴったりの文芸といえる。
(2024・5・1 KODOMO俳句 から)
肝臓がん
日本肝臓学会理事長・大阪大消化器内科学教授
竹原徹郎氏に聞く
(著書「肝臓のはなし 基礎知識から病への対処まで」)
肝臓はどんな臓器か
肝臓は最も大きな臓器で、糖質やたんぱく質などの栄養素の代謝、アルコールのような有害物質の解毒、脂肪の消化や老廃物の排泄を促す胆汁の分泌など、生命維持に重要な機能を果たす。高い再生能力があり、一部を切除しても元の大きさに戻る。
肝臓がんの特徴は
健康な肝臓に突然できるわけでなく、肝炎や肝硬変など慢性の肝疾患を起こした肝臓にできる。腫瘍を取り除いても、発がんしやすい肝臓が残っているため、再発しやすい。肝臓は
「沈黙の臓器」とも呼ばれ、がんができても自覚症状は現れにくい。
患者の傾向は
今まではB型肝炎やC型肝炎といった、輸血や注射器の使い回しが原因のウイルス性肝炎によるがんが中心だった。最近は
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)やアルコール性肝障害といった非ウイルス性肝疾患によるがんが増加しており、約5割に上る。
診断は
他のがんでは内視鏡で組織をとって診断する生検が多いが、
肝臓がんでは基本的に画像で診断する。見つかるきっかけは
超音波検査が最も多く、最終的な診断は造影剤を使ったCT(コンピューター断層撮影法)やMRI(磁気共鳴画像)で行う。
治療法の選び方は
肝臓は生存に不可欠な臓器で、残された肝臓の能力の程度を第一に考えて治療法を決める。切除範囲が大きくなるなど、肝機能を維持できない場合は切除できない。再発を前提に治療法を決め、治療を続けることが重要。
治療は
①比較的早期のがんは手術による切除か、ラジオ波焼灼療法を行う。
①腫瘍の大きさや数によっては、肝動脈化学塞栓療法が選択される。足の付け根からカテーテルを通し、腫瘍に栄養を送る血管に抗がん剤を入れ、血流も止める方法。
進行がんの治療は
薬物療法が基本。①分子標的薬や ①免疫チェックポイント阻害薬など、効果の高い薬が次々に出ている。薬で腫瘍が小さくなったら、切除や焼灼療法など早期がんの治療法に移ることもできる。公的医療保険の適用となった粒子線治療も選択肢になる。
粒子線治療について
4㌢以上の肝臓がんの粒子線治療は、エックス線を使った定位放射線治療より3年生存率が良好。治療ができる施設は広がりつつあるが、全国で26施設しかない。「粒子線を使った治療法は効果が高く、肝機能への影響や副作用も少ない。できるだけ体への負担を少なく治したい場合には良い選択肢になる」(シリーズの5から)
早期に発見するには
慢性肝疾患を早期に見つけるため、健康診断の血液検査で
「ALT」の値が30を超えていたら、受診すること。肝細胞がどれだけ死んでいるかを示す指標で、肝障害が起きると数値が上がる。