昨日は、薄曇りの中、出かけてまいりました。
2月の侘しさを象徴するかのような白梅です。
新聞に「歎異抄(たんにしょう)に学ぶ」という折り込みチラシが入ってました。ひらめきで即申し込みの電話をしてしまいました。「眠くなったらどうしよう。2時間持つかな?」などといった不安は吹き飛んでしまいましたよ。
「親鸞聖人に学ぶ会」主催
(株)チューリップ企画 共催
入場無料
画像に映し出された説明文に照らし合わせながら、明瞭な声で説明して下さる講師の女性。マスクをなさってるので年齢 不詳ですが深く読み込んでらっしゃいます。 詳しい紹介も 自己紹介もありません。11名の高齢者様方が受講され、メンバーさんが3,4人いらっしゃいました。私は初めての参加でしたが、以前から会は催されていたようです。
次会は7日(水)です。申し込みしましたよ。
鎌倉時代後期(約700年前) 親鸞聖人(しんらんしょうにん)の教えを唯円という弟子が書いたのが「歎異抄」。
司馬遼太郎曰く「無人島に持っていくなら歎異抄」
夏目漱石「人間は生きて苦しむための動物かも知れない」
芥川龍之介「人生は地獄よりも地獄的である」
歎異抄は
方丈記、徒然草、枕草子に勝るとも劣らぬ格調高い名文。
貴族や知識階級のものであった仏教を身分、階級に関係なく広めた。
どんなに苦しくても諦めないで。「人生は苦なり」
と釈迦が宣う。あなたはやがて大きな幸せに恵まれる。
「抜苦 与楽」。人種、性別、年齢、能力、貧富 等
全てに関係なく。
平等に「人間に生まれてよかった」と思える。
とてつもない大きな幸せに恵まれる。
「四苦 八苦」お釈迦さまは宣(のたま)う、いつ、どこに住まいしようと人間である限り避けられぬもの だと。
仏教は、インド⇒中国⇒朝鮮⇒日本と伝わってきた。
四苦八苦について
①生苦(しょうく)
川柳 記録しないうちに消えてしまいました。
②老苦
年を重ねると月日の流れがどんどん速くなるといわれる。
楽しい時は駆け足で退屈なる時間も大股で時は過ぎてゆく。
<面影の変はらで歳のつもれかし
たとへ命に限りあるとも> 小野小町
川柳
<増えてゆく 暗証番号 減る記憶>
<オレオレと アレアレ増える 高齢化>
<久しぶり 名がでないまま じゃあまたね>
③病苦
病気の苦しみ 命ひとつに 病は幾千。
「病」という字 ヤマイダレに「丙(へい)」
病(やまい)の苦しみはどの病気をとっても甲乙つけ難い。
川柳
<皮下脂肪 資源にできれば ノーベル賞>
<ダイエット ありのままでと あきらめる>
④死苦
昔から話にならない程の苦しみを「死ぬほどつらい」といってきた。
「四苦八苦」の中で最も深刻な苦しみ。
天下取り、太閤、大坂城、聚楽第 と天下を取った
豊臣秀吉 辞世の句
<露と落ち 露と消へにし わが身かな
浪速(なには)のことも 夢のまた夢> 秀吉
⑤愛別離苦(あいべつりく)=会者定離(えしゃじょうり)
⑥怨憎会苦(おんぞうえく)
嫌な人や物、時間と会わねばならぬ苦しみ。
「愛別離苦」と「怨憎会苦」は表裏一体。
<いい夫婦 今じゃどうでも いい夫婦>
<ああ定年 明日から妻が 我が上司>
⑦求不得苦(ぐふとっく)
人間の五願
1,何時も三月 花のころ
2,お前十八 ワシャ二十歳
3,死なぬ子三人 みな孝行
4,使ってへらぬ 金百万両
5,死んでも 命のあるように
⑧五陰盛苦(ごおんじょうく)
五陰とは、肉体の事。肉体あるが故の苦しみ。
「独生独死独去独来」
「四苦八苦」あるがままで「人間に生まれてよかった」と喜べる。
「平生業成(へいぜいごうじょう)」
(詳しくは次回にでも解説してくださるのかしら?と思ってます)
詩人:石垣 りん 「表札」
<自分の住むところには/自分で表札を出すにかぎる>
<様も/殿も/付いてはいけない/自分の住む所には/
自分の手で表札をかけるに限る/精神の在り場所も/
ハタから表札をかけられてはならない/石垣りん/
それでよい>
自立した人生を生きていく意思を、何でもない家の表札に重ね合わせた。
能登半島の変わり果てた景色に思い出す。大地の震動で押しつぶされた家々は、住民それぞれの自立した暮らしのあった場所である。
被災者の失意や心労はいかばかりか。災害を経験した東北や熊本、阪神方面から次々にボランティアが駆けつけている。
いつか必ず暮らしを取り戻せると、被災者に語りかける姿が避難所にある。
復興とは、「様」も「殿」もない表札が家々にかかる日のことだろう。どうか、一日でも早く。
(2024・2・1 讀賣新聞 編集手帳から 一部省略す)
(人''▽`)ありがとう☆ございました。