予約していた図書

 

「きみはいい子」中脇初枝(1974生)著 短編五話

       

 

一、サンタさんの来ない家

小学校新米教師

「今、ぼくにできるたったひとつのこと。僕はこぶしを握り締め、思いきり扉をたたいた。」 ・・・家族からの虐待を受ける教え子・・・

 

 

二、べっぴんさん

「はなちゃんママは見ていた。あやねの太ももの指の跡を。首筋の青いあざを。手を胸の前で組むくせを。ーーー」 ・・・はなちゃんママがあたし(あやねのママ)の正面から抱きついてきた。あたしを力いっぱい抱きしめた。

 

「おばあちゃんが走ってきてあたしを抱いてかばってくれたの、たたいたらいかん、この子はなんちゃあ悪いことしちょらん。」

「おばあちゃんがね、会うたんびに、見るたんびに、べっぴんさんって。」

 

 

三、うそつき

「たとえ別れても、二度と会わなくても、一緒にいた場所が無くなってしまったとしても、幸せなひとときがあった記憶が、それからの一生を支えてくれる。どんな不幸なことがあったとしても、その記憶が自分を救ってくれる。」

 

 

四、こんにちは さようなら

「きっと私は何もかも忘れてしまう。でも雨の日に別の仕合わせがやってくることもあることを、こんなに年をとってから知った。だから私が忘れてしまっても大丈夫。また玄関のベルを鳴らして仕合わせがやってくる。」

 

 

五、うばすて山

「そんなにひどいお母さんなら、嫌いでいいんだよ。ひどい人を好きになる必要はないんだよ。」その時はじめてお母さんを嫌いな自分を嫌いになる必要がないことを知る。

「私にも幸せな記憶があった。-----年をとって何もかも忘れてしまっても、この記憶だけは忘れないで持っていこう。」

 

 

 

各章とも、淡々と読み進めていくうちに、笑い泣きバ~ッと泣けてきますよ!

 

巷で沢山の事件が起きてますが、短編一つ一つの中に色んな問題を重ね合わせるところが組み込まれていて一気に読んでしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    ♡♡♡ ありがとうございました ♡♡♡