2004年9月。
体調を崩して長期欠勤が決まった時のことでした。
何もやる気が起こらず、
ただ、自分の病気がどういうものなのかもよくわからず、
とりあえず病名をキーにしてネットで検索。
そしたら、ヒットしたたくさんのサイトの中に、
気になるものがあったのです。
ブログ、でした。
うつ病患者らしき人が書いたブログ。
ブログ・・・「ウェブログ(Weblog)」の略。
Web上のログ、というか、メモみたいなもの。
ホームページよりも簡単に、自分のメモサイトを作ることができる。
確か、そういう定義だった気がします。
「あー、これがブログなのかあ」
そう思いながら、その人の記事を読みました。
そこにはたくさんのブログがリンクされていて、
私はどんどんリンク先へ読み進めました。
いろんな人が、いろんな思いを綴っている、それらは、
私にとってとても衝撃的でした。
と、同時に、
私のこの辛さも、誰かに聞いて欲しい、
そう思いました。
突然、社会から切り離されて、
心の拠り所も、吐き出し口も失っていた私は、
すがるようにブログを開設したのでした。
毎日、しかも一日に何回も書いてました。
そうするうちに、リンクしてくださる人も増えてきて、
お互いの辛さを慰めあったり、
寛解した人が励ましてくれたり。
気が付いたら、ブログというものが、
世間一般の人たちに広く浸透していました。
私のブログは3年くらい続きました。
その間に、出会いと別れを何度も経験しました。
あくまでWeb上でのもの、ですが。
ただ、その中の数人とは、
実際にお会いしたり、メールしたりして、
今ではリアルのお付き合いをしています。
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まだネットが一般に浸透していない頃から、
情報科学の世界にいた私は、
この10年ほどで恐ろしいほどに成長・拡大したネットの世界を、とても脅威に思います。
ネットが持つ性質を正しく理解していないがゆえに、
悲しい事件があちこちで起きています。
最近ようやく、法律が追いつきつつありますが、
あまりにも後手後手です。
でも仕方ないのかもしれません。
情報科学を専攻していた自分たちでさえ、
こんなに発達するとは思っていなかったのだから。
高校のときに観た、あるテレビ番組で、
「いずれ世界はひとつにつながるんですよ」
と、日本における情報科学の第一人者である教授が語っていました。
世界地図に張り巡らされたネット回線のイメージ図とともに。
それから、Win95が発売されて、
その後のIT社会の発展は、今更言うまでもありません。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
そんなことを考えながら、私は、今でもブログを書いています。
どん底から私を救ってくれた、それは、
今度は私をもっともっと広い世界に導いてくれるから。