連休最終日は、これまで行きたいと思っていて未踏だった「江戸東京たてもの園」に足を運びました。小金井公園の一角にあり、都内の江戸時代~昭和中期までの文化的価値の高い建物を移築した、東京の明治村みたいなところです。

武蔵小金井駅からバスで10分ほど(徒歩でも可)、涼しい日ではあったが、都内より気候がよいのか、小金井公園は木々も緑地も緑が深い。ウィーン周辺を思い出します。

たてもの園は入場料400円、職員もボランティアの数も充実していてまめに声をかけてくれ、サービスは上々。展示物の写真撮影もOKで、ストレスなく展示室を通過します。

外に出てまずお目当ては洋館エリアの「山の手通り」。かつて麻布や赤坂にあった豪邸が並んでいて、昭和の頃のハイソな町に来たようです。

映画の舞台になりそうな「常盤台写真場」の室内に置かれた足踏みブラザーミシンは実家にあるのと同じだわ。

 

むかーし、山手線から見えた記憶があるデ・ラランデ邸にも再会できました。ここには喫茶があり、濃厚なチーズケーキを頂きました。室内はやや暗めで、ミステリアスな雰囲気が三島文学にぴったりかもしれません。

*三島由紀夫の「鏡子の家」のイメージモデルと言われています。

他に、世田谷区役所旧庁舎を設計した前川國男自邸。こちらは逆に、中に入ると光を取り込んだ別荘のような快適さに驚かされます。

 

 

移築ながら、車椅子来場者のために可能な限りホームエレベーターが設置してあるのも印象的でした。

ほかに、こちらも愛好者が多いであろう多摩のかやぶき屋根の民家。

真ん中あたりに、最も来場者が多いのは二・二六事件の舞台となった高橋是清邸。二階の寝室が殺害された現場ですが、手入れが行き届いているためか清々しささえ感じる部屋でした。

 

 

 

最後「下町仲通り」は看板建築や銭湯を移築した賑やかな構成。地方都市にはまだいくつか残っているのでしょうが、こうして古い時代の建物を区画に並べてみるとタイムスリップ感がすごい。懐かしさなどあるわけない、子どもたちも楽しそうに回っています。ほのぼのした感じが心地よいのでしょうか

都内あちこちで名建築が解体されマンションになっていく今、歴史的建造物のサンクチュアリともいえる「江戸東京たてもの園」。成城6丁目の長岡邸もここに移築すれば良かったのに…でも歴史的価値、耐久性など厳しい審査を経た建物だけがここにあるのでしょうね。

 

やればできるじゃん、東京。