新しいビールを求めて塩飽諸島・本島(香川県丸亀市)を訪れた旅行録。今回はいよいよ久福ブルーイング本島の内部を見学します!

 
久福ブルーイング本島へ!

塩飽勤番所跡の見学(→前編参照)をしていたら、あっという間に時が過ぎて、気付いたら醸造所の見学時刻が迫っていました。

 

この旅で一番大切な約束に遅刻する訳にはいきません!海岸沿いの道を歩いて行く予定を変更し、内陸部を突っ切る最短ルートで向かいます。

 

島の家屋や畑を眺めながら速足で進んでいくと、突きあたりに青い海が見えてきました。

 

そこには素晴らしく美しいビーチが!!波も穏やかで最高に癒される~!

 

ちなみに港から海岸沿いに進めば徒歩10分弱で醸造所に着けます。こっちがメインルートですね。瀬戸大橋を臨む絶景を楽しみながら歩いて行けます!

※写真提供:久福ブルーイング本島

 

なんとかオンタイムで久福ブルーイング本島に到着!オーナー夫妻の久保田 宏平(こうへい)さんと、真凡(まなみ)さんが笑顔で出迎えてくださいました。

 

居心地が良すぎる直売所

さっそく店内にお邪魔します!

もともと島の商店だった古民家をリノベーションしたという店内は、洗練されつつも温かみのある空間です。すごく心地いい。

 
窓越しには海がバッチリ見えます!お客さん側よりもカウンター内側が特等席です。最高の仕事場ですね!笑

 

あくまで「直売所」という位置づけで、飲食営業の予定は当面ないそうですが、もったいないくらい居心地の良い空間です。ここで飲みたい~!笑

※2024年2月追記

ついに現地で飲めるようになった(1坪タップルームそうです!

営業日は公式インスタを要チェック!

 

久保田さんご夫妻の気さくな人柄のおかげもあって、ずーっとカウンターに居座りそうになりましたが、今回のメインイベントは店の奥にある醸造所の見学です!いざ!!

 

醸造所のタンクに大興奮!

醸造所の内部は眩いくらい白く清潔で、古民家をリノベーションしたとは思えません。天井も高くて、立派な醸造所です!

 

一般的なビール作りでは工程ごとに複数のタンクを使い分ける必要がありますが、こちらの醸造所では、麦汁の仕込みから発酵・熟成までを1つのタンクで完結できる、カナダのBREWHA社製の高機能タンクを導入しています。

 

麦汁を作る際は、内釜(底がザルになっている)をタンク内に挿入した上でお湯を沸かし、麦芽を投入します。麦芽エキスを煮出した後は、内釜を引き上げることで麦芽粕を取り出すことができます。内釜は電動クレーンで上下・前後に自在に動かせるから腕力は不要。とても合理的!!


久保田さん夫妻は、本土側(丸亀側)で別の仕事や育児をこなしながら、船で本島に通う2拠点生活をしています。醸造は宏平さんのワンオペになるので、タンクや配管清掃の手間が少なくて済むこのタンクは頼もしい相棒ですね。

 

久福ブルーイングには同型のタンクが計3台あります。醸造設備としては比較的小規模とはいえ、お値段はしっかり高いです!購入を決断した当時のインスタ投稿が面白いので覗いてみましょう(^^)

 

数々の試練を乗り越えて

醸造所設立にあたっては、タンク以外にも色々な設備投資が必要でした。古民家のリノベーションも、工事を進める中で想定外の作業が次々発生し、特に屋根の全面やり替えの出費がかなり痛かったそう。

※リノベーション工事の様子(写真提供:久福ブルーイング本島)

 

なんとか設備を整えて醸造をスタートした後も、初めて使う設備の火加減に手こずったり、停電トラブルが発生したりで、せっかく仕込んだビールを何度も廃棄する事態に…。ハードな試練の数々に直面して、醸造担当の宏平さんはもちろん、真凡さんの心中も穏やかでなかったはずですが、宏平さん曰く「静かに見守ってくれて有難かった」そうです。お互いの信頼関係が垣間見れるエピソードですね。

 

過去のインスタ投稿を見てみると、事業展望を二人で仲良く語り合う動画が多数アップされています。お互いのやりたいことをすり合わせ、お互いに納得してブルワリー経営に取り組むお二人ならば、どんな試練でも乗り越えられそうな気がします!

 

この後、直売所に戻ってからも、本島で作るビールならではのコンセプトや今後の展開などについて、たくさんお話を伺いました。長くなり過ぎるので中編-②として次回公開します。どうぞお楽しみに!

 

離島のクラフトビール専門のファンサイト
離島びーる倶楽部 https://islandbeer.net

・全国の離島のクラフトビール情報を配信中!
全国離島びーるMAPも随時更新中!
情報提供&取材協力をお願いします!