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     -脱・住宅後進国「日本」-

しっくいにはミクロの孔(穴)が無数に空いています そのミクロの穴が空気中の湿気を吸収したり、放出したりします 

また漆喰は湿気を吸って吐く、というサイクルの中で漆喰表面は結晶膜ができます。吸って吐く、濡れて乾く、が結晶膜で繰り返されることで表面を浄化しきれいな状態を保ちます。

穴が沢山空いている構造を微多孔質構造と言いますが、、、

穴が開いているってことは、、、通常は水なんかも浸み込む=水が中に入ったら脆くなる

となるはずですが、しっくいは外壁にもよく使われます 外壁なのでもちろん雨が当たりますが、この結晶膜のおかげで強度を保ちます。

 

しかし、日本のような多湿な地域でさらに!常に雨が当たる場所やデザインではある程度は濡れる+吸うができるのですが限度があり吸い込みきれなくなると、さすがに水分で飽和状態になり内部も水漬し・・・するとやはりしっくいも脆くなります

 

木と漆喰を住宅外壁に使う際は、濡れて乾くことが大切であり、濡れっぱなしや乾きっぱなしにならないようなデザインが必要不可欠で、建築の歴史は新建材より、遥かに木や漆喰の歴史の方が長いため必然それを考慮するようになりました。

 

雨で傷むのを防ぐために軒をしっかり出して漆喰へ直接雨や水があたり続けないようデザインで工夫したり、抑えという左官技術で表面を更に強くしたり表面に漆喰油という油を塗り撥水性を高めたり。

 

昨今は土地の制限を考慮したり、建築費を抑制しつつ、かっこよく見せるためのデザインで軒がない箱型のデザインが「デザイン住宅」として世間にあふれていますが、軒なしの戸建てデザインの歴史は1963年(設計者の名前ど忘れ)程度つまり、50年くらいしかなく、それまで降雨量の多い国の戸建てでは歴史上なかったデザインなんですね。

 

しかも、日本は世界平均の2倍雨の降る国。

 

 

これだけ雨の降る国は先進国ではスイスとニュージーランドくらい。雨を考慮しない住宅デザインは日本的ではありません。

 

デザインとは問題解決を伴った設計のことをデザインと言い

問題解決の伴わない設計はアートと呼ぶ。。。そうです。