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  iskcorpのスタッフブログ

     -脱・住宅後進国「日本」-

ご要望が多い、スイス漆喰と珪藻土の違いをご紹介

 

材料
スイス漆喰
アプルス山脈の石灰石を主に使います そこに亜麻仁油(花の種からできる油)とブナの木の繊維この3つが主な材料です
ちなみにこの石灰も2億5千年前の、サンゴや貝殻が堆積してできたものです 成分も食品のように全成分開示してます

珪藻土
数千年前のプランクトン(珪藻)の遺骸が堆積してできたものを使います
しかし「土」であるために自ら固まる力がありません

成分開示しているのは2、3社くらい?

 

固まる力
スイス漆喰 
二酸化炭素で固まります。スイス漆喰は生石灰を水で消化させ、クリーム状にして6ヶ月寝かせます。寝かせることで、石灰の結晶が成長し弾力が生まれます、さらに消石灰に比べて硬化後の収縮が少なくなり表面が硬くなります。
珪藻土
自ら固まる力がありません。そのため固化材を添付しなければなりません。固化材として漆喰や粘土や石膏をまぜるということができますが、成分が不明な製品の場合は残念ながら合成樹脂系固化材、化学物質で固めます。樹脂を混ぜることで製品の性能のブレを押さえ施工性(密着力)や乾燥具合を均一にできます 安く、クレームのない製品を作れます。

 

機能

スイス漆喰

強アルカリによる防カビ・抗菌、ホルムアルデヒド吸着性、脱臭性、二酸化炭素吸収、調湿性、不燃性など

珪藻土

調湿性、不燃性、脱臭性など その他の機能は珪藻土の性質によるものではなく、他の材料によります

 

歴史

スイス漆喰

漆喰としては5000年前から建築へ応用、カルククリームの製法は350年前に確立し、1959年にHAGA社によって法人化 リヒテインスタイン城やノイシュバイン城など様々な歴史的建造物の保存に使われています。

珪藻土

1993年に大阪ガスさんにより開発建築材料として使用

正直歴史がまだ浅く、住まいと健康に目を向けた良心的な珪藻土メーカーと単価と施工性で施工業者や工務店に目を向けたメーカーが混在しているのでうやむやです。

 

で、ドイツでエコ建築の重鎮であるホルガーケニッヒ氏やドイツのマイスターに「日本では漆喰の他にも珪藻土という塗り壁があるよ」と話したところ

 

ホ「一時期ドイツにも類似製品はあったよ」

 

マ「でもすぐ規制がかかったよね」

 

ホ「耐久性がないのとそれを吸うと健康被害のリスクがあったからね」

 「今はほとんど見ないよ」

 

マ「っていうか土って、日本では仕上げ材なの?」

 

私「土で仕上げている伝統的な建築もあるし土と木は日本建築のアイデンティティだよ」

 

マ「へぇ~こっちは土や粘土で仕上げることもあるけど基本的に下地だよ」

 

私「確かに日本でも下地として使います。その上に漆喰を塗ります」

 

マ「そうそう、こっちでもそんな感じ」

 

ホ「新しい製品開発は新たなビジネスチャンスになるかもしれないけど歴史に敵うものはないよね」

 

ホ「ドイツも化学工業大国だけエコ建築は実にアナログな建材にエビデンスの取得を進めたものも多い」

 

 

確かにな・・・日本でも「土」は仕上げ材としても使いますが下地として木舞→土が一般的でありました

さらに西日本は湿気が多く土だけだとカビるので漆喰の他にも焼杉など使う文化が根付いていた

そう考えると珪藻土だけでなく、ビニールクロスや所謂新建材たちってのはわざわざ技術開発して歴史に抗い、先人たちの教えを無駄にしているような気もします

本物の木じゃないです!これアルミです!本物見たいでしょ!っていうような建材。その開発力や情熱を歴史に基づいた「本物」の開発に力を入れていたらば日本の住宅文化はより世界に誇れるものとなったはず。

 

海外旅行から帰ってきて、目地だらけの外壁のツギハギの風合いなくゴミのような街並みは経済的豊かさとは裏腹に精神的貧しさを表す象徴のように感じます。