*ミュージック・サンプリング* | Jungle Swing

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*Sweet,Soul,Music & Life*

 

 

雲一つない気持ちいい月曜日の午後、クルマでぶらっと走っているとラジオからこの曲が流れてきてご機嫌に。

 

「待ってました」♪( ´θ`)ノ

 

 

 

 

そんなテンションも束の間でした・・

フェードアウトと共に、鹿児島ローカルな、そしてネイティブ感がすぎる訛りでの曲紹介が始まると、かなしいかな思わずズッコケそうになったワケで(笑)

 

場合によってはほっこりするんでしょうが、この曲ではやめてくれっち〜と思わずツッコみを入れちゃいました。

 

九州のソウルを変わらず大切にしていますが、何せ35年も地元から離れてしまうと、方言(ワード)はともかく、イントネーションの軸はすっかり本州にありきで、どれだけ周りが訛っていようとそこはブレないカラダに仕上がってしまい、曲は沁みた、そして己のアイデンティティが何となく不安になった(笑)、2月ラスト・イブの出来事・でした。

 

 

さて、そろそろ本題に入るとして、、

アメリカの有名な法律辞典である"Black's Law Dictionary"によると、サンプリングとは「サウンド・レコーディングのごく一部を切り取って、新しいレコーディングの一部としてその部分をデジタル処理によって利用するプロセス」と定義されていますが、この魅力的な手法の発祥地は、意外なことに日本やアメリカのようなデジタル技術の先進国ではなく、後進国のジャマイカだったんですよね。

 

当然、セレクターとDJからなる”レゲエ・ミュージック”が大きく噛んでいるわけですが、今回その詳しい理由はスキップさせてもらって、サンプリングは80年代中盤〜後半以降、ヒップホップやクラブ・ミュージックを中心に、あらゆる音楽分野で広範に利用されることとなります。

 

記憶に新しいところでは、サブスク2億6000万再生と世界から熱い視線を浴びている、亜蘭知子の「Midnight Pretenders (83年)」を、グラミー賞を何度も受賞しているThe Weekendが、昨年リリースの「Out of Time」で披露したのもこのサンプリング(ループ)でした。

 

 

 

 

 

 

今回はそんなサンプリングを通じて、ヒップホップをポップにより親しみやすいサウンドに作りかえ、シーンにおける新潮流を生み出した張本人たちを、原曲を交えてピックアップしてみましょう。

 

 

【De La Soul - A Roller Skating Jam Named Saturdays】

 

ヒップホップの歴史に燦然と輝き続ける大名作『De La Soul Is Dead』より、A Tribe Called QuestのQ-Tip、R&B シンガーのVinia Mojicaも加わった陽気なパーティ・アンセムにして、まさに典型的なサンプリング手法である"ループ"を利用して制作された代表的な作品。

 

Larry Levanがミックスを担当したガラージ名曲で、ファンクバンドInstant Funkによる「I Got My Mind Made Up」のイントロ使いから、レアグルーヴの最高傑作とも評されるMighty Ryedersの「Evil Vibelation」をメインループに、Chicagoの「Saturday In The Park」のサビまで歌い回しちゃうという、実に斬新な発想と凝ったサンプリング・コラージュで度肝を抜かれた1曲でした。

 

そこには世界初のヒップホップ・バンドといわれるStetsasonicのリーダー兼プロデューサーで、De La Soul 4人目のメンバーとも言われるPrince Paulの影響も大。

 

これほど自由でカラフルな作品はそうありませんし、昨今のヒップホップのプロダクションへのフィードは・・時代的に難しいでしょうねぇ。

 

ここで余談ですが、先日訃報が伝えられたトゥルーゴイ(Trugoy the Dove)は、ヨーグルトがあまりにも好きすぎて、そのヨーグルト(Yogurt)の綴りを逆さにしてつけた名前。実にポップでユニークな発想ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

【Biz Markie - Alone Again & Spring Again】

 

そしてヒップホップの新しい時代を切り開いた立役者といえば・・愛しのBiz Markie。無断サンプリングで訴えられた最初のアーティストとしても伝説級に有名です。

 

このプロセスがあったからこそ、デラやトライブも、そしてギャングスターあたりも自由にやれたんだと思いますし、今日のヒップホップがあるのかと。リスペクトしときましょう。

 

その裁判ネタ(笑)となった「Alone Again」は、イギリス(アイルランド系)のシンガーソングライター、Gilbert O'Sullivanによる72年のヒット曲「Alone Again (Naturally)」において、最初の8小節と3語をサンプリング、これをループさせていますね。わかりやすいし、僕はビズから元ネタを知りました。

 

 

 

 

 

こちらはRoberta Flack & Donny Hathaway「Back Together Again」を大胆に使用した、春のパーティー・アンセムにして、みんな大好きなヒップホップ・クラシック。華やかなトラックにコミカルなラップが心地良いナンバーです。

 

 

 

 

 

 

【Tokona-X feat. Kalassy Nikoff (AK-69) - Let met know ya...】

 

ラストはこちらも伝説のラッパー&レペゼン名古屋のTokona-X。Def Jam Japanからのメジャー・デビュー曲でした(R.I.P.)

 

Midnight Starのメロウ・ディスコ「Curious」を、Eric B & Rakim「What's On Your Mind」やWarren G「This D.J.」などと同じくストレートに引用しています。

 

そしてPVに使用されているのは、拙者が数々の思い出と爪痕(失敗?)を残したクラブ、Lush The Underground(2012年Close)

 

 

 

 

 

いかがでしたでしょう。こういった感じで、元ネタを知るためのミュージック・ジャーニーは楽しいモノですし、そこにはいつも新しい発見が。その逆もまた然りで、温故知新的なGroove探求は自分のライフワークの一つとしてすっかり定着して、現在に至るところであります。

 

それでは本日はこの辺でピリオドにして、

『パクリの美学』に乾杯といきましょう。


 

P.S.

2月のポストは何もなければこれがラスト感。

明日は過去記事からブラッシュアップしてお届け予定。

 

3月もどうぞよろしくお願いいたします。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

See You★☆♪