終末期ケア(2292)ー2 "緩和ケア 日本における緩和ケアの現状③" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



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星緩和ケア

スター日本における
   緩和ケアの現状③
 
ふんわり風船星日本における緩和ケアの課題

①疼痛をはじめとした
   苦痛緩和の不十分さ

・いくつかの調査が、日本において苦痛を
 はじめとした苦痛の緩和が不十分であること
 をを示しています。

・苦痛の緩和が不十分な理由は、標準的な治療
 やケアが普及していないこと、難治性の症状
 や苦痛が存在することの二つが考えられて
 います。

・基本的緩和ケアの充実と難治性の症状や苦痛
 を緩和する治療やケアの開発が課題です。



②がん医療に携わる一般の
    医療者の意識と教育

・がん医療に携わるすべての医療者は、
 基本的な緩和ケアの知識・技術を身に付け
 なければなりません。

・現在、基礎教育の充実や緩和ケア研修会、
 ELNECーJによる卒後教育などが実施
 されており、徐々にではありますが、
 状況は改善されつつあります。






③専門的緩和ケアシステム


・がん対策基本法施行後、がん診療連携拠点

 病院や緩和ケアチームなど、制度面では

 大きく進歩しました。


・しかし、現状でも専門的緩和ケアを担う

 人材の不足は深刻であり、制度が十分に

 機能していないケースもみられます。


・学会や教育機関が協力し、専門的緩和ケアを

 担う医師・看護師・薬剤師等を育成する必要

 があります。




④家族ケア・遺族ケア


・薬物療法の進歩や制度面の充実により、

 患者さんの苦痛はある程度緩和できるよう

 になってきました。


・しかし、特に、多忙な一般病棟では

 ご家族の苦痛に対する配慮は未だ不十分な

 面があります。


・また、死別後の遺族ケアも現状では

 一般病棟では、ほとんど行われていません。


・急性期病院で遺族ケアを十分に行う体制を

 早急に構築することはあまり、現実的では

 なく、地域や制度などで支えていく必要が

 あると思われます。




⑤非がん患者に対する緩和ケア


・近年、がん患者さんに対する緩和ケアは

 制度面でも充実してきたものの、非がん

 患者さんに対する緩和ケアは、まだ始まっ

 たばかりです。


・緩和ケアは、がんに対するものであるという

 認識を捨て、緩和ケアはすべての生命を

 脅かす疾患を対象とするという認識に立ち

 制度面や教育の充実が求められます。




⑥緩和ケアの対象の拡大、

 近年の医学の進捗に基づいて

 発生した課題


・非がん患者さんに対する緩和ケアと同様に

 がん領域でもまだ緩和ケアが十分に行き届い

 ていない対象がいます。


・たとえば、がんサバイバー、小児、AYA世代

 希少がん、高齢者など、一般のがん患者さん

 とは異なるニーズをもった患者さんに対する

 支援は十分とはいえません。


・また、近年の免疫チェックポイント阻害薬

 などのがん免疫療法の進歩やがんゲノム医療

 の発展なども新しい問題を引き起こしつつ

 あります。




⑦在宅ケア、介護施設、

 地域連携


・日本では在宅緩和ケアの遅れが目立ちます。

 すでに高齢社会・多老多死社会が到来して

 おり、療養場所・死亡場所の不足も問題に

 なっています。


・海外では、日本の老人ホーム等に担当する

 ナーシングホームでの死亡が30%を超える

 国もありますが、日本ではこのような施設

 での死亡は全死亡で10%程度、がんでは

 3%程度にとどまっています。


・誰もが安心して、住み慣れた場所で療養し

 亡くなっていくことを保証するためには、

 在宅ケアを担う人材の増加、介護施設に

 おける看取り教育、病院や緩和ケア病棟など

 を含めた地域連携体制の構築が必要です。




⑧一般市民への啓発


・日本においても近年、尊厳死や自殺幇助の

 法制化の議論がなされつつあります。


・これらには賛否がありますが、一般庶民や

 患者さんが自らの死が近くなったときに備え

 リビングウィルや事前指示書(アドバンス

 ディレクティブ)などを作成したり、ご家族

 や医療者と今後の医療や生活について早い

 うちから相談しておくことは有用と考えられ

 ます(アドバンス・ケア・プランニング)。




⑨研究


・世界的にみても、緩和ケアには未解決の

 さまざまな問題が残されています。


・難治性疼痛や他の諸症状の緩和の方法、

 心理的・スピリチュアルな支援、緩和ケアを

 どう評価し、政策に反映していくかなど

 です。


・日本からの研究発信は近年増えてきたものの

 看護師による研究はまだ少なく、今後も

 さらに発展させる必要があります。






参考資料

 緩和ケア
      メディカ出版

 
 

    次回

    "緩和ケア

      多職種連携と看護①

                       チームアプローチ"

       

        

                          



                     

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