


③専門的緩和ケアシステム
・がん対策基本法施行後、がん診療連携拠点
病院や緩和ケアチームなど、制度面では
大きく進歩しました。
・しかし、現状でも専門的緩和ケアを担う
人材の不足は深刻であり、制度が十分に
機能していないケースもみられます。
・学会や教育機関が協力し、専門的緩和ケアを
担う医師・看護師・薬剤師等を育成する必要
があります。
④家族ケア・遺族ケア
・薬物療法の進歩や制度面の充実により、
患者さんの苦痛はある程度緩和できるよう
になってきました。
・しかし、特に、多忙な一般病棟では
ご家族の苦痛に対する配慮は未だ不十分な
面があります。
・また、死別後の遺族ケアも現状では
一般病棟では、ほとんど行われていません。
・急性期病院で遺族ケアを十分に行う体制を
早急に構築することはあまり、現実的では
なく、地域や制度などで支えていく必要が
あると思われます。
⑤非がん患者に対する緩和ケア
・近年、がん患者さんに対する緩和ケアは
制度面でも充実してきたものの、非がん
患者さんに対する緩和ケアは、まだ始まっ
たばかりです。
・緩和ケアは、がんに対するものであるという
認識を捨て、緩和ケアはすべての生命を
脅かす疾患を対象とするという認識に立ち
制度面や教育の充実が求められます。
⑥緩和ケアの対象の拡大、
近年の医学の進捗に基づいて
発生した課題
・非がん患者さんに対する緩和ケアと同様に
がん領域でもまだ緩和ケアが十分に行き届い
ていない対象がいます。
・たとえば、がんサバイバー、小児、AYA世代
希少がん、高齢者など、一般のがん患者さん
とは異なるニーズをもった患者さんに対する
支援は十分とはいえません。
・また、近年の免疫チェックポイント阻害薬
などのがん免疫療法の進歩やがんゲノム医療
の発展なども新しい問題を引き起こしつつ
あります。
⑦在宅ケア、介護施設、
地域連携
・日本では在宅緩和ケアの遅れが目立ちます。
すでに高齢社会・多老多死社会が到来して
おり、療養場所・死亡場所の不足も問題に
なっています。
・海外では、日本の老人ホーム等に担当する
ナーシングホームでの死亡が30%を超える
国もありますが、日本ではこのような施設
での死亡は全死亡で10%程度、がんでは
3%程度にとどまっています。
・誰もが安心して、住み慣れた場所で療養し
亡くなっていくことを保証するためには、
在宅ケアを担う人材の増加、介護施設に
おける看取り教育、病院や緩和ケア病棟など
を含めた地域連携体制の構築が必要です。
⑧一般市民への啓発
・日本においても近年、尊厳死や自殺幇助の
法制化の議論がなされつつあります。
・これらには賛否がありますが、一般庶民や
患者さんが自らの死が近くなったときに備え
リビングウィルや事前指示書(アドバンス
ディレクティブ)などを作成したり、ご家族
や医療者と今後の医療や生活について早い
うちから相談しておくことは有用と考えられ
ます(アドバンス・ケア・プランニング)。
⑨研究
・世界的にみても、緩和ケアには未解決の
さまざまな問題が残されています。
・難治性疼痛や他の諸症状の緩和の方法、
心理的・スピリチュアルな支援、緩和ケアを
どう評価し、政策に反映していくかなど
です。
・日本からの研究発信は近年増えてきたものの
看護師による研究はまだ少なく、今後も
さらに発展させる必要があります。
参考資料
次回
"緩和ケア
多職種連携と看護①
チームアプローチ"


