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・心不全とは、何らかの原因で心臓のポンプ
機能が低下し、全身の各組織が必要とする
だけの血液を拍出できなくなった状態を
いいます。
・高齢者では、腎疾患や肺疾患の合併が多い
こと、加齢に伴う心筋の繊維化・肥大の
影響があることから、軽度の機能低下が
あっても容易に心不全をきたしやすく
なります。
❶左心不全
・左心不全は、左室の心拍出量が低下し、
拍出しきれない血液が左心系にうっ滞
します。
・血液のうっ滞は、肺に広がり肺うっ血を
きたし、呼吸困難や息切れが生じます。
・心拍出量低下は、1回拍出量の低下を回数で
補おうとするため、頻脈になります。
・また、血圧を維持しようと末梢血管を収縮
させるため、末梢冷感や蒼白をきたします。
・それでも維持できなくなれば、血圧は低下
します。
・肺うっ血は、肺の静脈・脳細血管圧が上昇
することで肺胞内に水分が露出し、粗い
断続性副雑音(水疱音)が聴取されます。
❷右心不全
・右心不全は、右室から肺炎への拍出が少なく
なり、拍出しきれない血液が右心系に
うっ滞します。
・これにより浮腫や肝肥大、頸動脈怒張が
生じます。
・浮腫は、静脈圧の上昇により血管内の水分が
血管外へ漏出し、組織間液が増加します。
・とくに下肢は顕著にみられます。
❸両心不全
・両心不全は、左心不全が続くと、肺うっ血に
伴う肺高血圧が右室への負荷となり、
右心不全も併発します。
❶症状の緩和
・呼吸困難:起坐位やファウラー位をとる
ことによって右心系に戻る静脈血は減少し
肺うっ血は軽減します。
さらに起坐位では、横隔膜は下降し、大胸筋
や補助呼吸筋の呼吸運動がスムーズになる
ため、換気は増加します。
・浮腫:浮腫は重力のかかる部位に起こり
やすいため、悪化させないよう姿勢を工夫
します。
また、浮腫のある部位の皮膚は脆弱で褥瘡の
リスクが高くなるため、スキンケアを行い
ます。
❷心負荷の軽減
・つねに活動と休息のバランスを考慮し、
心拍数や血圧の変動要因の緩和を図り、
心負荷が軽減するよう支援します。
・食事摂取後すぐに入浴するといった二重負荷
を避けることが大切です。
❸自己管理
・水分摂取と体重管理:適切な水分摂取量を
維持します。
高齢者は細胞内液が少なく口渇を感じにくい
ため、過剰のみならず、不足による脱水にも
注意します。
そして、体重測定を習慣化し、数日内に
2kg以上の増加と息切れなどの出現がある
場合は、注意が必要です。
・塩分摂取量:塩分摂取が多くなると、
ナトリウム濃度の調整のために体内の循環
血液量も増加し、心負荷がかかるため減塩
が基本となります。
塩分制限は、高血圧コントロール目標に
おいても6g/日未満が推奨されています。
しかし、高齢者は塩味閾値の上昇による味覚
変化があり、なるべく食習慣を大きく変えず
に、妥協可能な範囲をご本人と一緒に考えて
もらい実行につなげていきましょう。
❹有害反応の早期発見
・高齢者は、肝機能・腎機能低下や体内総
水分量の減少などにより、薬物の血中濃度が
上昇しやすくなります。
・とくに、強心薬であるジギタリス製剤は
ジギタリス中毒といわれる、不整脈、昏迷、
嘔吐などの症状を呈することがあり注意が
必要です。







