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症状緩和
消化器症状 便秘①
・便秘症とは、本来出すべき便が十分に出ない
または快適に出ないために腹痛・便が出し
づらい(排便困難感)・便が出切らない
感覚がある(残便感)といった排便の
トラブルが長く続く病気のことです。
・排便の回数や量、便の硬さなどには個人差が
あるため、どのような状態を“便秘”とする
かはさまざまな定義があります。
・しかし、日本消化器病学会が定める
ガイドラインでは“本来体外に排出すべき
便を十分量かつ快適に排出できない状態”と
定義され、その状態が6か月以上前から
生じ、少なくとも最近3か月間はその状態が
続いていることを“慢性便秘症”として
います。
・便秘症は非常によく見られる病気の1つ
ですが、20~60歳までは女性のほうが
多いものの60歳以降は男女差が少なくなり、
年齢を重ねるごとに有症率が高くなることが
特徴です。
・原因は、加齢に加えて食物繊維の摂取不足、
運動不足など生活習慣によるものや、
内服薬の副作用によるもの(薬剤性便秘)、
持病によるもの(症候性便秘)が多いですが
大腸がんやクローン病など重篤な病気が
背景にあるケースもあります。
1、原因
・便秘症の原因は多岐にわたりますが、
大きく分けて消化管に何らかの形の異常が
ある“器質性便秘”と消化管自体に形の異常
がないけれど、その動く能力に異常の
ある“機能性便秘”の2種類に分類されます。
それぞれの主な原因は次のとおりです。
2、器質性便秘
・主に大腸の病気による形の異常が原因で
スムーズな排便ができなくなる便秘です。
・よく見られるのは、大腸がんやクローン病
など大腸の内部が狭くなる病気によるもの
です。
・大腸の内部が狭くなると大腸内の便の通過に
時間がかかり、結果として便秘を引き起こす
のですが、ひどくなると大腸での便の流れが
完全に詰まってしまう腸閉塞を生じる場合も
あります。
・そのほかにも、大腸が異常に拡張する
巨大結腸症、女性で排便時に直腸の前の壁が
腟側に膨らむために直腸内の便をうまく
出せない直腸瘤なども便秘の原因になり
ます。
3、機能性便秘
・大腸には形の異常がないにもかかわらず、
その動く能力の問題で生じる便秘のこと
です。
・明らかな原因のない特発性と呼ばれるものが
もっとも多いですが、食物繊維の摂取不足や
運動不足などの食事・生活習慣の乱れ、
大腸の運動を弱める副作用がある薬(薬剤性
便秘)や持病(症候性便秘)が原因となる
ことも少なくありません。
・そのほかに、排便時のいきむ力が低下する
腹筋の筋力低下や排便時に緩めるべき肛門を
逆に締めてしまう異常(機能性便排出障害)
も排便能力低下の原因になります。