終末期ケア(1518)ー2 "アルツハイマー型認知症の作業療法③" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



うさぎ2部に分けて投稿していますロップイヤー
 本文はこちらですウサギウサギウサギ


星アルツハイマー型認知症の
         作業療法


アルツハイマー型認知症は、
認知機能障害の程度(軽度・中等度・
高度)に合わせた内容で作業療法を
行います。





花アルツハイマー型認知症に
   対する作業療法のコツ

❶中等度認知機能低下者

①IADLの工程の一部を担当もしくは簡素化する 
  



・中等度認知機能低下者では、軽度認知機能
 低下者の低下に加え、場所などの見当識機能
 の低下、失行症状などの複雑な運動を順序
 だてて行う精神機能が障害されてきます。

・この時期は、IADLの低下が著しくなり、
 IADLの工程の一部を担当もしくはその行為
 を簡素化することが求められます。

・例えば、掃除はほうきがけのほうがシンプル
 な工程になります。

・このように行為をできる限り、馴染みの方法
 でシンプルにします。







②シャンプー容器を変更し、
       洗髪方法を掲示する

・入浴時、プッシュ式のシャンプー容器の操作
 が難しくなったり、シャンプーをしても
 洗い流すことを忘れたり、洗体を忘れること
 が増えます。

・その場合は、ボトルを押すと洗剤が出るもの
 に変更したり、浴室に洗体やシャンプーの
 仕方を掲示するなど工夫します。






③トイレを流す、トイレの場所を忘れる

・トイレ内では流すことを忘れる、
 トイレットペーパーの操作が苦手になるなど
 が生じます。

・道具はできる限りシンプルにし、
 文字で生活行為の順番を書いて視線の先に
 掲示します。

・また、その生活行為を反復して練習します。

・トイレの場所がわからなくなるときは、
 常夜灯など誘導線を設置します。

・夜はトイレの電気をつけたままにするなど
 工夫します。





 

④衣類は同じ形で、
  前後わかりやすいものを選ぶ

・更衣では、着用する衣服をかぶりシャツに
 するなど、同じパターンのものにそろえ
 ます。

・前後がわかりやすい模様のものを選ぶなど
 工夫します。


⑤趣味においても、工程をシンプルに変更する

・趣味活動について、編み物であれば袋つくり
 から刺し子へ、編み物であればセーターから
 マフラーへ、工程を立体から平面にして、
 1工程でできるように簡単な作品に変更
 します。

・書字であれば模写字、絵であれば塗り絵
 など、見た目で理解できるように工夫する
 とよいでしょう。


⑥常に声かけを意識し、
   体操などで動作維持に取り組む

・この時期は、自ら生活の組み立てが難しく
 なることから、常に声かけなどの介護が必要
 となってきます。

・そのことから、介護する側の対応によって
 BPSDが生じやすい時期でもあります。







・さらに認知機能の低下が高度になる時期を
 予測し、苦手になる動作、例えば体幹の
 回旋や体重の前後左右移動のバランスなど
 の各協調的動作、目的動作が維持される
 ために、
 ❶体幹の回旋運動
 ❷椅子座位から手を床につける
 ❸リズム体操
 などに取り組むとよいでしょう。





参考資料
 認知症ケア
 アイデアノート
    編著 石川県こころの病院

 



     次回は、

     "リハビリテーション
      アルツハイマー型認知症における
       高度認知機能低下者の
             作業療法④"
                          
        
 
              について


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