2部に分けて投稿しています
❶中等度認知機能低下者
①IADLの工程の一部を担当もしくは簡素化する
・中等度認知機能低下者では、軽度認知機能
低下者の低下に加え、場所などの見当識機能
の低下、失行症状などの複雑な運動を順序
だてて行う精神機能が障害されてきます。
・この時期は、IADLの低下が著しくなり、
IADLの工程の一部を担当もしくはその行為
を簡素化することが求められます。
・例えば、掃除はほうきがけのほうがシンプル
な工程になります。
・このように行為をできる限り、馴染みの方法
でシンプルにします。
②シャンプー容器を変更し、
洗髪方法を掲示する
・入浴時、プッシュ式のシャンプー容器の操作
が難しくなったり、シャンプーをしても
洗い流すことを忘れたり、洗体を忘れること
が増えます。
・その場合は、ボトルを押すと洗剤が出るもの
に変更したり、浴室に洗体やシャンプーの
仕方を掲示するなど工夫します。
③トイレを流す、トイレの場所を忘れる
・トイレ内では流すことを忘れる、
トイレットペーパーの操作が苦手になるなど
が生じます。
・道具はできる限りシンプルにし、
文字で生活行為の順番を書いて視線の先に
掲示します。
・また、その生活行為を反復して練習します。
・トイレの場所がわからなくなるときは、
常夜灯など誘導線を設置します。
・夜はトイレの電気をつけたままにするなど
工夫します。
④衣類は同じ形で、
前後わかりやすいものを選ぶ
・更衣では、着用する衣服をかぶりシャツに
するなど、同じパターンのものにそろえ
ます。
・前後がわかりやすい模様のものを選ぶなど
工夫します。
⑤趣味においても、工程をシンプルに変更する
・趣味活動について、編み物であれば袋つくり
から刺し子へ、編み物であればセーターから
マフラーへ、工程を立体から平面にして、
1工程でできるように簡単な作品に変更
します。
・書字であれば模写字、絵であれば塗り絵
など、見た目で理解できるように工夫する
とよいでしょう。
⑥常に声かけを意識し、
体操などで動作維持に取り組む
・この時期は、自ら生活の組み立てが難しく
なることから、常に声かけなどの介護が必要
となってきます。
・そのことから、介護する側の対応によって
BPSDが生じやすい時期でもあります。
・さらに認知機能の低下が高度になる時期を
予測し、苦手になる動作、例えば体幹の
回旋や体重の前後左右移動のバランスなど
の各協調的動作、目的動作が維持される
ために、
❶体幹の回旋運動
❷椅子座位から手を床につける
❸リズム体操
などに取り組むとよいでしょう。
参考資料
認知症ケア
アイデアノート
編著 石川県こころの病院
次回は、
"リハビリテーション
アルツハイマー型認知症における
高度認知機能低下者の
作業療法④"
について
※ ご感想、ご意見、ご質問、
ご遠慮なくいただけたらと思います。
手探りでやってますので、ヒントをもらえたら
私も勉強になりありがたいです。