うつ状態①
高齢者には、うつ状態がよくみられます。
いわゆる老人性うつ病は、自責感が強く
自殺に注意が必要とされます。
認知症に伴ううつ状態は、それに比べて
軽いといわれますが、摂食不良が続き、
身体管理が必要となることもあります。
うつ状態の中心的症状は、気分の落ち込み
で、患者さんは悲観、苦悩を示します。
うつ状態によく似た病態にアパシー(意欲
障害)があります。
アパシーの患者さんは、あっけらかんと
していることが多いといわれています。
老人性のうつ病と
必ずしも区別する必要はない
・認知症の初期に、うつ状態がみられることが
あります。
・一方で、高齢期のうつ病は認知症の危険因子
とされています。
・うつ状態を疑ったら、認知症の有無にかかわ
らず、うつ状態としての対応をとることが
大切です。
・軽度のうつ状態は、活動を増やすなどの
非薬物療法が優先され、中等症以上のうつ
状態には薬物療法が必要です。
認知症のなかでも
レビー小体型認知症に多い
・アルツハイマー型認知症や血管性認知症
にもうつ状態は生じますが、レビー小体型
認知症に最も多くみられるといわれて
います。
・高齢になって、うつ状態となり、
その後、幻視やパーキンソン症状といった
レビー小体型認知症の中核症状が現れる人
もよくいます。
介護抵抗の背景に、
うつ状態が隠されている
ことがある
・認知症に伴ううつ状態は、認知症の初期
だけでなく、進行してからも認めます。
・うつ状態の悲観や苦悩は、認知症の人の
場合、しばしば介護抵抗、介護拒否という
形で現れます。
・「私なんか放っておいて」「かまわないで」
と食事介助を拒否することがあり、抗うつ薬
による治療で劇的に穏やかになることが
あります。
参考資料
認知症ケア
アイデアノート
編著 石川県こころの病院
次回は、
"行動・心理症状(BPSD)の
とらえ方とケア
うつ状態②"
について
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手探りでやってますので、ヒントをもらえたら
私も勉強になりありがたいです。