終末期ケア(1485)ー2 "認知症の疾患をおさえる 認知症の経過" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



うさぎ2部に分けて投稿していますロップイヤー
 本文はこちらですウサギウサギウサギ


星認知症の疾患をおさえる
      (疾患の知識)


スター認知症の経過






スターアルツハイマー型認知症

         の経過


花前兆(軽度認知障害)


・軽度認知障害は認知症の前兆で、

 MCI(Mild Cognitive Impairment)

 とも呼ばれます。


・認知症と同様に物忘れのような記憶障害は

 あるものの、日常生活に支障をきたすほど

 ではありません。


・そのため、認知症の前兆とは思われず、

 加齢による物忘れとして軽く考えてしまう

 方がほとんどです。


・ただ、アルツハイマー型認知症は、

 脳のなかにアミロイドβなどの不要な

 たんぱく質が異常に蓄積されることが

 主原因であるため、そのまま放っておくと

 高い確率で認知症へと移行します。


・認知症の記憶障害は、経験したことが

 すっぽり抜け落ちてしまう「エピソード記憶

 の喪失」が主な症状になりますが、MCIの

 場合は時間経過に伴った記憶障害が中心

 です。


・例えば、少し前に聞いたことを忘れて何度も

 聞き返したり、世間で話題になったニュース

 の内容が思い出せなくなったりします。


・MCIからアルツハイマー型認知症を発症する

 までの期間はそれぞれですが、早期発見・

 早期治療を行えばその進行を遅らせることは

 可能です。


・また、きちんと治療すれば健常状態に戻る

 可能性も指摘されています。






花発症から10年以上前には

     前兆が現れている!?


・認知症の原因や予防の研究はまだまだ

 発展途上ではありますが、認知症を発症

 する人の脳内には、発症の25年も前から

 異常にたんぱく質が蓄積されているとも

 言われており、今後の研究に注目が集まり

 ます。




スター初期(軽度)


・アルツハイマー型認知症の初期症状で

 よくみられるのが記憶障害です。


・しかも単なるもの忘れのレベルではなく、

 直前の出来事を忘れたり、同じことを何度も

 聞き返すようになります。


・軽度認知障害との境目は難しいところですが

 軽度認知障害が日常生活への支障がほぼない

 のに比べ、認知症初期になると仕事や家事を

 こなすのが難しくなることもあります。


・ただ、長年続けてきた作業や車の運転、

 料理などはいつも通りできるため、周囲が

 気づかないこともあります。


・そうなると、早期発見ができない可能性が

 あるので要注意です。






花判断力の低下


・同じ初期症状でも記憶障害のほかに、

 頻繁に物をなくしたり、またはおかしな

 場所に置き忘れたり、日常作業をこなすの

 に時間がかかったり、判断力の低下がみられ

 るようになります。


ご本人にとっては、これまでできていたこと

 ができなくなるのはとてもつらい時期かも

 しれません。


・誰でも周りの人と話がかみ合わなかったり、

 身に覚えのないことを指摘されると混乱

 しますし、強い不安や恐怖、怒りを感じる

 こともあるでしょう。


・また、できないことが増えるにつれて自信を

 失い感情表現が乏しくなったり、意欲の

 減退がみられることもあります。


・そのため、認知症ではなくうつ病を疑われる

 ことも少なくありません。


検査時は、医師にしっかりと状況を伝える

 ことが重要です。




スター中期(中度)


・中期になると記憶障害が加速します。


・新しい出来事が覚えられなくなり、

 初期には役立ったメモ書きもその存在自体

 を忘れてしまいます。


・また、記憶が保てないため日常生活に支障を

 きたし、自立した生活は難しくなり、多くの

 場面でサポートが必要になります。


食事をしたはずなのに、「食べてない」と

 言い出したりするのもこの時期の特徴です。


・そのほか、住所や電話番号が言えなく

 なったり、場所や日付がわからなく

 なったり、簡単な計算ができなくなる

 ような症状も現れます。







花記憶障害が悪化しても

       感情は残る


・美味しいものを食べても、家族で旅行に

 いっても次の日にはほとんど忘れてしまう

 ので、家族を含め、周囲の人たちはその反応

 にガッカリさせられることも多くなるかも

 しれません。


・しかし、記憶に残らなくても「楽しかった」

 という印象は残るとされています。


・そのため、あまり覚えてもらおうと考えず、

 その瞬間を一緒に楽しむように心がけると

 介護する側も気持ちが楽になるはずです。





スター末期(重度)


・末期になると、初期や中期と比べて記憶障害

 が目立たなくなります。


・なぜなら、自発性や意欲の低下によって

 物事への関心が薄くなり、忘れること、

 何度も話を聞き返すこと自体がなくなる

 からです。


・その代わり、家族が家族であることが

 わからなかったり、コミュニケーションを

 とること自体が難しくなったりします。




花常に介助が必要


・末期になると、生活のすべてにおいて

 介助が必要になります。


失禁や筋固縮(筋肉がこわばる)などの

 症状が出たり、嚥下障害になったりします。


・また、歩行障害や運動障害もみられるように

 なり、ほとんどの時間をベッド上で過ごすか

 少しずつ寝たきり状態になることもみられる

 ようになります。


・この時期は免疫力もかなり落ちてきている

 ので、感染症などで亡くなるケースも

 考えられます。


・最悪の事態を招かないためにも、

 できるだけ初期の段階で気づき、治療

 しましょう。


遅くとも中期で治療を開始できると、

 認知症と上手に付き合いながら晩年を過ごす

 ことも可能なので、周囲にいる人が変化に

 気づき、認知症の疑いがあると思ったとき

 には早めに受診しましょう。










参考資料
 認知症ケア
 アイデアノート
    編著 石川県こころの病院

 みんなの介護



     次回は、

      認知症ケアアイデアノート
       多職種による
          診断後支援"
       
            

              について


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 手探りでやってますので、ヒントをもらえたら

  私も勉強になりありがたいです。