終末期ケア(1483)ー2 "認知症の疾患をおさえる 認知症とは" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



うさぎ2部に分けて投稿していますロップイヤー
 本文はこちらですウサギウサギウサギ


星認知症の疾患をおさえる
      (疾患の知識)


❶認知症とは






・「認知症」とは、様々な脳の病気により、
 脳の神経細胞の働きが徐々に低下し、
 認知機能(記憶、判断力など)が低下して、
 社会生活に支障をきたした状態をいいます。

・我が国では高齢化の進展とともに、
 認知症の人も増加しています。

・65歳以上の高齢者では、
 平成24年度(2012年度)の時点で7人に
 1人程度とされ、年齢を重ねるほど発症する
 可能性が高まり、今後も認知症の人は
 増え続けると予想されています。

・なお、認知症の前段階と考えられている
 軽度認知障害の人も加えると4人に1人の
 割合となりますが、軽度認知障害の方が
 全て認知症になるわけではありません。




・また、65歳未満で発症する認知症を
 「若年性認知症」と呼んでいます。

・現在、認知症は、だれもがなりうる病気と
 考えられています。






・また、認知症とよく似た状態(うつ、

 せん妄)や、認知症の状態を引き起こす身体の

  病気もいろいろあるため(甲状腺機能低下症

 など)、早期に適切な診断を受けることは

 大切です。








❷認知症の検査・診断


・症状の経過から認知症が疑われる際には、

 認知機能ばかりでなく、運動や感覚などを

 含め脳神経系全体の異常を把握するための

 診察(“神経学的診察”といいます)を行い

 ます。







花認知機能検査


記憶、注意、計算、言語などの認知機能を

 調べるための検査です。診察時には

 長谷川式簡易知能評価スケール、

 ミニメンタルステート検査(MMSE)など

 の簡易検査を行いますが、症状に応じて、

 さらに詳しい検査を計画します。




花血液検査


甲状腺ホルモンなどのホルモンの異常、

 ある種のビタミンなどの栄養素の異常、

 肝臓病などによる代謝の異常、梅毒などの

 感染症などによって、認知機能の低下を

 きたすことがあります。

 それらを血液検査によってチェックします。




花画像検査


・脳の状態(かたち)をチェックするために、

 頭部CT、MRI検査などで異常(萎縮や

 脳梗塞・出血など)の有無をみます。


・また、脳の機能を調べるために、

 SPECT検査で脳の血流を、PET検査で

 脳の代謝の異常を調べます。


・また、PET検査でアミロイドの蓄積をみる

 検査もあります。

 ただし、PET検査は全て保険適用外です。




花脳脊髄液検査


脳炎などが疑われる場合などは腰椎穿刺

(腰から針をさします)を行い、脳脊髄液

 検査します。


・また、脳脊髄液中に含まれるアミロイドβ

 測定はアルツハイマー病の診断有用です。






❸認知症の4大原因疾患


花アルツハイマー型認知症




・認知症の原因としては最も多いといわれて

 おり、長い年月をかけて脳に、アミロイドβ

 リン酸化タウというタンパク質がたまり

 認知症をきたすと考えられています。


記憶障害(もの忘れ)から始まることが多い

 ですが、失語(音として聞こえていても話が

 わかりにくい、物の名前がわかないなど)や

 失認(視力は問題ないのに、目で見えた情報

 を形として把握し難い)、失行(手足の動き

 は問題ないのに、今までできていた動作を

 行えない)などが目立つこともあります。











花血管性認知症




脳梗塞や脳出血といった脳血管障害によって

 一部の神経細胞に栄養や酸素が行き渡ら

 なくなり認知症をきたすものをいいます。


・脳血管障害を起こした場所により症状は

 異なりますが、麻痺などの身体の症状を伴う

 ことが少なくありません。










花レビー小体型認知症




・脳にαシヌクレインというタンパク質が

 たまり、認知症をきたすと考えられて

 います。


・記憶障害などの認知機能障害が変動しやすい

 ことのほか、ありありとした幻視(実際には

 ないものが見える)や転びやすい、歩き

 にくいなどのパーキンソン症状、睡眠中に

 夢をみて叫んだりするなどの症状を伴うこと

 があります。


・どの症状が先に出てくるかはそれぞれです。










花前頭側頭型認知症




・脳の前頭葉と側頭葉が病気の中心として

 進行していき、同じ行動パターンを繰り返し

 たり、周囲の刺激に反応してしまうなどの

 行動の変化が目立つ「行動障害型」と言葉の

 障害が目立つ「言語障害型」があります。














参考資料

   認知症ケア
 アイデアノート
   編著 石川県こころの病院
 
  
 
          次回は、
      認知症ケアアイデアノート
            認知症の症状"
       
            

              について


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