終末期ケア(1452)ー2 "ケアの場からみた夜③ ナイトケアにおける倫理" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



うさぎ2部に分けて投稿していますロップイヤー
 本文はこちらですウサギウサギウサギ


星高齢者のナイトケア


❶高齢者にとっての夜
  (生活の場からみた夜)

 ケアの場からみた夜③

スターナイトケアにおける倫理

・日中と夜間では、患者さん・利用者さんに
 とって長年の習慣に耳を傾けるとともに、
 夜間の環境下でどのくらい自立して日常生活
 動作を遂行できるのか、日中の様子しか
 わからない職員と共有を図る役割と実践力の
 発揮が期待されます。

・ここで重要なポイントは、
 ケア提供者(自身)が考える夜間の過ごし方を
 標準として患者さん・利用者さんに当てはめ
 ないことです。


医療・介護現場の倫理



・自己のナイトレーティンの標準化ともいえる

 この思考は、倫理的な問題と隣り合わせ

 です。


・「私は22時に寝るから」「消灯時間は

 21時だから」「寝る前はテレビを観ない

 から」といった自己の価値と習慣を当て

 はめることで、患者さん・利用者さんは

 自分らしさと尊厳を侵害された気持ちになり

 「病院・施設に入れられている」「自由が

 ない」「家に帰りたい」と苦痛を負い、

 病院や施設が「家」から大きくかけ離れた場

 になってしまうのです。

 




・また、日中に比べて夜間では職員の数が

 少ないことから、忙しさに支配され、

 「必要最低限」へと自らケア水準を下げて

 しまいがちです。


・患者さん・利用者さんに「夜間は人が少ない

 んです」と言葉で伝えることは、ケアの都合

 を押しつけているに等しく、ケアの受け手で

 ある患者さん・利用者さんの人権を脅かし

 かねません。



クローバー倫理的な2つのポイント

認知症の方はやさしい方が多く、
そのやさしさに付け込むような
自分本位なケアをしない

認知症の方の弱さに付け込まない
不利益になるようなことをしない



・しかしながら、ナイトケアにおける環境、

 特に人的資源、医療資源は日中と比べて

 大きく制限され、日中にできることが夜間

 にはできないということも往々にしてあり

 ます。


・この日中と夜間の体制の違いに葛藤を感じる

 職員は多いでしょう。

 この葛藤を言語化し、職員間で共有すること

 で、見直しや新たな業務改善のケアアイデア

 が生まれ、ナイトケアの質の改善につながる

 ものと考えます。

 








参考資料

    高齢者のナイトケア
  生活の場を中心とした
      支援のポイントと実際
       尾崎章子・坪井桂子編者
 
  
 
 
   
    次回は、
     ケアをする人にとっての夜
     "ケアの場からみた夜④
       病院・施設における
           ナイトケア
                      ナイトケアにおける
          判断と責任の重さ"
            

         
      
             について


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 ご遠慮なくいただけたらと思います。
 手探りでやってますので、ヒントをもらえたら

  私も勉強になりありがたいです。