終末期ケア(1429)ー2 "在宅とはどのような場か 一人暮らしの高齢者にとっての在宅" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



うさぎ2部に分けて投稿していますロップイヤー
 本文はこちらですウサギウサギウサギ


星高齢者のナイトケア


❶高齢者にとっての夜
  (生活の場からみた夜)

 高齢者にとって
  在宅とはどのような場か


1)一人暮らしの高齢者に
      とっての在宅

一人暮らしの高齢者の割合は、
 2021年10月1日時点で、日本の人口は
 1億2550万人、65歳以上の人口は3621万
 人となり高齢化率は28.9%でした。

2042年に65歳以上の人口は3935万人
 ピークを迎え、その後は減少に転じると
 推計されています。

・ただし、日本は長期の人口減少過程に入って
 いるため、65歳以上の人口が減少しても
 高齢化率は上昇を続け、2065年には38.4%
 に達する見込みです。

65歳以上の人口に占める一人暮らしの割合
 も増加傾向にあり、1980年は男性高齢者が
 4.3%女性高齢者が11.2%だったのが、
 2020年は男性高齢者が15.0%、女性
 高齢者が22.1%と増えています。

・今後も、少子高齢化や核家族化が進み、
 未婚の高齢者も増えることが考えられ、
 2040年には男性高齢者が20.8%、女性
 高齢者が24.5%になると予測されて 
 います。




・単身高齢者は自宅での一人暮らしを

 どのようにとらえ、どのような気持ちで

 毎日の生活を送っているのでしょうか。


・自由な生活を享受する高齢者がいる一方で

 「何でも自分でやらなければならない」と

 自立することを自分に課せられたものと

 とらえる高齢者もおり、また、将来に対する

 不安を抱くとき「今日一日を楽しく生きる」

 と自分に言い聞かせて、少数であっても

 気心の知れた人間関係が一人暮らしの

 孤独感や不安感を和らげているとしています。


・一人暮らしの高齢者にとっての自宅は、

 誰からも侵害され難い自由な空間(領分)で

 あり、他者に気兼ねすることなく主体性を

 発揮できる場であるとともに自分でありうる

 基盤ともいえます。


・そして、自宅で一人暮らしを続ける決意を

 身近なコミュニティの人々が支えている

 考えられます。

 


高齢者の一人暮らしで期待するサービス




 




2)高齢者が一人暮らし

              をするリスク


・病気やけがの心配だけでなく、徐々に体力が

 低下することで自活する力が衰えていくなど

 同居家族の支援のない高齢者の一人暮らし

 には注意したい点があります。



●病気やけがの発見が遅れる


・年齢とともに免疫力や運動機能が低下する

 ことで、病気やけがのリスクが高くなり

 ます。


・部屋の中での転倒や誤嚥(ごえん)、熱中症

 低体温症などは、同居家族の見守りがあれば

 悪化する前に対処が可能ですが、一人暮らし

 では難しいこともあります。


・外出先で身体の症状が悪化した場合も、

 すぐにご家族のサポートが受けにくいケース

 があるかもしれません。


・きちんと定期健診を受け、栄養バランスの

 取れた食事や、運動する習慣を身に付ける

 ことで、健康を維持できる必要があります。




●家の手入れがしにくくなる


・一戸建ての広い家に暮らしていても、

 一人暮らしで使うスペースは限られて

 います。


・身体機能が衰えてくると、2階へ行くため

 階段を上がるのがおっくうになったり、

 庭の草むしりなども手が行き届かなく

 なったりします。


・日常的に使う浴室やトイレ、キッチンで

 あっても、掃除の負担が重く感じられるよう

 になるかもしれません。


・移動時の転倒によるけがなどを防げて、

 衛生的な環境を維持しやすい、比較的部屋

 がコンパクトなマンションや平屋などに

 暮らすのが良さそうです。




社会参加の機会が減る


・足腰など身体機能だけでなく、目や耳など

 感覚機能が鈍くなると、だんだんと外出が

 減ってしまう可能性が高くなります。


“孤独・孤立”が脳機能の低下につながり、

 認知症のリスクが高まるともいわれて

 います。


・ご家族や友人、近所の人など、身近な人

 とのコミュニケーションは、心身の健康に

 とって非常に重要です。


・趣味の仲間とイベントに参加したり、

 ボランティア活動をしたりするアクティブ

 シニアも見かけます。


・一人暮らしの場合は、外出する機会や手段を

 積極的に設けるよう支援することも必要に

 なります。






一人暮らしの高齢者の問題








参考資料

    高齢者のナイトケア
  生活の場を中心とした
      支援のポイントと実際
       尾崎章子・坪井桂子編者
 内閣府「令和4年版高齢社会白書」

 総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)

 2021年」

 内閣府「令和3年度 高齢者の日常生活・

 地域社会への参加に関する調査結果

 (全体版)」

 
   
    次回は、
     高齢者にとっての夜
      生活の場からみた夜
      "在宅高齢者にとっての夜
       一人暮らしの高齢者の場合
      
             について


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  私も勉強になりありがたいです。