終末期ケア(1422)ー2 "高齢者にとっての夜 高齢者を支える病院・施設と夜間の看護体制" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



うさぎ2部に分けて投稿していますロップイヤー
 本文はこちらですウサギウサギウサギ


星高齢者のナイトケア


❶高齢者にとっての夜
  (生活の場からみた夜)

 高齢者を支える主な病院・
 施設の概要と夜間の看護体制

・高齢者が療養生活を送る主な病院・施設と
 しては、療養病床(医療療養病床・介護療養
 病床)や2018年に創設された介護医療院
 含め、特別養護老人ホーム(指定介護老人
 福祉施設)、介護老人保健施設等が挙げられ
 ます。



注)介護療養型医療施設(介護療養病床)とは、
 介護を必要とする方が入居できる公的な施設
 のひとつです。
 公的な介護・医療施設の中でも、要介護度の
 高い方がメインで入居している施設ですが、
 2024年3月末の廃止が決定しています。
   2024年3月末までは移行期間として施設自体
 はまだ機能していますが、移行期間終了後は
 全て介護医療院へと転換します。




花束療養病床
(医療療養病床・介護療養病床)

・療養病床は、急性期治療を終え一般病棟を
 退院したものの、長期的に医療ケアが必要
 な要介護者のための病床です。

・療養病床は、医療保険法のもと医療保険が
 適用となる「医療療養病床」介護保険法
 のもと介護保険が適用される「介護療養
 病床」(介護療養型医療施設)の2つに分け
 られます。





1)医療療養病床
   (医療保険適用)

・急性期の治療を終え、ある程度病状が安定
 してもなお医療の必要度が高く、引き続き
 入院での療養が必要な患者さんのための
 病床です。

慢性的な疾患の管理を必要とされる方が
 長期に渡る療養を目的とした病床で、
 一般病床と異なり適用される治療や検査には
 制限がありますが、入院期間の制限はあまり
 なく長期療養も可能です。

・医療療養病床は、より症状が重い人のための
 病床です。

入院と同等のケアや処置が必要な人が多い
 ので、手厚いケアが必要です。

・利用者4人に対し、看護職員、介護職員が
 1人の割合で配置されています。

・急性期の治療が終わり、医療の必要性の
 高い長期療養を必要とする患者さまが対象
 となり、医療的処置を行います。

・療養病棟(医療療養病床)とは、
 慢性期の状態にあって、主に急性期又は
 回復期治療後や、長期にわたる医学的管理を
 必要とする医療の必要度が高い(医療区分2
 ・3)患者様の日常生活援助を含めたケア
 行う医療保険適応の病床です。

65歳未満の方も対象となります。

・特に指定難病に罹患している患者さんで
 医療受給者証を交付されていて肢体不自由
 の状態にある方は、指定難病の治療の有無
 に関わらず対象となります。

・また、訪問診療や訪問看護・介護等により
 在宅でお過ごしの方でも、医療区分2・3に
 該当する場合は、レスパイト入院(ご家族等
 の休息のための一時預かり等)での利用も
 可能です。




2)介護療養病床
        (介護保険適用)

・介護療養病床(介護療養型医療施設)は、
 医療療養病床よりは症状は落ち着いている
 ものの、医療ケアが必要な状態にある
 要介護者向けの施設です。

・利用者6人に対し、看護職員、介護職員が
 1人の割合で配置されています。




・介護療養型医療施設とは、比較的重度の
 要介護者に対し、充実した医療処置と
 リハビリを提供する施設です。

看護師の人員配置が他の施設より手厚く、
 「インスリン注射」や「痰の吸引」、
 「経管栄養」などの医療処置に対応して
 います。

・また、多床室もあることから比較的少ない
 費用負担で利用できます。
 「介護療養病床」とも呼ばれます。







3)介護医療院

【医療】【介護】【住まい】の3つの機能
 を併せ持つ新たな介護保険施設です。

・介護医療院は、要介護者であって、
 主として長期にわたり療養が必要である者
 に対し、施設サービス計画に基づいて、
 療養上の管理、看護、医学的管理の下に
 おける介護及び機能訓練その他必要な医療
 並びに日常生活上の世話を行うことを目的と
 する施設です。

・介護医療院は「在宅扱い」になるため、
 地域包括ケア病棟・回復期リハ病棟・
 急性期病棟や他の介護施設からの転入が
 容易です。

・病院や病棟での入院ではなく在宅に近い環境
 で療養できるため、自分らしい暮らしを
 続けることができます。

医師・看護師が24時間対応しており、
 「看取りやターミナルケア」等の医療機能と
 「生活施設」としての機能を兼ね備えた施設
 です。

・医療機関に近い職員数が配置されており、
 他の介護施設では対応の難しい喀痰吸引や
 経管栄養などにも対応しているため、
 最期まで利用することができます。






4)介護老人福祉施設
  (特別養護老人ホーム)

・特別養護老人ホームとは、在宅での生活が
 困難な要介護状態の高齢者が入居できる
 介護保険施設です。

・「特養」の呼称でも知られています。

・民間運営の有料老人ホームなどに比べて
 低料金な点が魅力ですが、要介護3以上
 方しか入居できないなど、条件が厳しく
 設定されています。

常時介護を必要とし、在宅での生活が困難
 高齢者に対して、生活全般の介護を提供する
 施設です。 

・ 特別養護老人ホームでは、入浴、排泄、
 食事などの介護、その他の日常生活の世話、
 機能訓練、健康管理及び療養上の世話
 行います。

・特養では寝たきりの方など要介護度が重度の
 方も受け入れています。

・しかし、看護師の24時間体制での配置は
 義務付けられていないため、常時医療的ケア
 を必要とする場合は入所が困難となる場合が
 あります。









5)介護老人保健施設

・介護老人保健施設とは、介護保険が適用
 される介護サービスで、在宅への復帰を
 目標に心身の機能回復、活動の向上を行う
 施設です。






・介護老人保健施設の大きな特徴のひとつが、
 リハビリに力を入れているという点です。 

・これは、在宅復帰を目指すためには、
 充実したリハビリを行う必要があるため
 です。 

・車椅子に乗る訓練や歩行訓練などの身体的
 リハビリの他、認知機能のリハビリも行われ
 ます。

・また、自宅に戻った後、日常生活を問題なく
 送るための生活に即したリハビリなどもあり
 ます。

・大きな特徴のもうひとつとしては、
 医療体制が充実している点です。 

・介護老人保健施設には、1人以上の医師が
 常勤しています。

看護職員が24時間常駐している施設もあり、
 介護だけでなく医療ケアも必要に応じて受け
 られるため、長期入院後の人にとっても
 心強いと言えます。 

・また、看護職員の配置基準は、特養より
 手厚く設定されているため、たんの吸引や
 インスリン注射、服薬管理、胃ろうにも
 対応してもらえる施設もあります。
 施設ごとに確認が必要です。












参考資料

    高齢者のナイトケア
  生活の場を中心とした
      支援のポイントと実際
       尾崎章子・坪井桂子編者
 
   
    次回は、
    高齢者のナイトケア
     高齢者にとっての夜
    "病院・施設という
      集団の中での睡眠への影響"
      
             について


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  私も勉強になりありがたいです。