終末期ケア(1399)ー2 "「呼吸をしていない」「心停止?」のときの考え方" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



うさぎ2部に分けて投稿していますロップイヤー
 本文はこちらですウサギウサギウサギ


星いつもと違う高齢者をみたら


❶「いつもとちがう」に
      出合ったとき

 呼吸していない?」
   「心停止?」のときの考え方

「救急車要請」と
   「心肺蘇生」はセット

・心肺停止が確認されて救急車が要請された
 場合、救急隊はただちに心肺蘇生に入り
 ます。

・この場合、心肺蘇生をするか否かは、
 その人の発見状況によりません。

・心肺停止があり救急要請をした場合、必ず
 心肺蘇生は行われるものなのです。

・法律により、「死」を判定できるのは
 医師と決められています。

・ですから(医師以外の者が)現場で確認でき、
 断言できるのは「心肺停止」という状態で
 あって「死」ではないのです。

救急車に乗る前も乗ってからも、
 心肺蘇生を続ける理由はそこにあります。

・救急車を呼んで救急隊員に「心肺蘇生は
 しないでほしい」と希望されても救急隊員は
 困ることになります。






②延命治療の有無を示せる

      「意思表示カード」とは?


・意思表示カードと言えば、運転免許証や

 マイナンバーカードに記載されている

 臓器提供の有無を書くイメージがありま

 せんか?


・実は意思表示カードは臓器提供だけに限らず

 ご本人との意思疎通ができない状況の中で、

 延命処置をどうしたいのか記載しておくこと

 で希望を叶えてもらう目的でも使われます。







③意思表示カードとは?


・意思表示カードは自分自身で言葉で伝え

 られない状況の際に、延命治療を希望するか

 記載するためのものです。


・法的な効力はありませんが、

 カードに延命措置を希望しない旨や、

 よりくわしく施してほしい治療を記載する

 ことで、万が一の事態に備えられます。








④尊厳死について


・意思表示カードと言えば、臓器提供意思表示

 を意味することが多いですが、そのほかにも

 いざという事態に自分の希望を伝える手段

 作っておくことが大切です。


・特に近年は医療の発達により、

 ご本人が望まない形の延命措置を受ける

 結果になってしまうケースがあります。


延命措置とは回復の見込みがない患者さんに

 対して、生命維持の治療を施すことです。


・近代医学では患者が生きているうちは、

 最善の治療を施して命をつなぐことを

 モットーとしています。


・しかし、延命治療の結果患者本人の意識が

 ない植物状態のまま何年も生き続けるケース

 があります。


・その結果、患者さん本人の意思を尊重でき

 ない生き方として、むやみな延命治療を

 やめる尊厳死が注目されるようになり

 ました。


・尊厳死は過剰な延命治療を施さず、

 自然な死を迎えるという人としての尊厳を

 大切にしたものです。


・日本では尊厳死を認める公的な制度は

 まだないものの、尊厳死を希望する内容を

 記載した書類を公正証書としてて残す方が

 増えています。













参考資料

  いつもと違う高齢者をみたら
  在宅・介護施設での判断と対応
           荒井千明著

   
  次回は、
    「いつもとちがう」に出合ったとき
     "終末期対応の実際
       看取りの場の移り変わり"
      
             


               について


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 ご遠慮なくいただけたらと思います。
 手探りでやってますので、ヒントをもらえたら

  私も勉強になりありがたいです。