終末期ケア(1397)ー2 "呼吸数が増えている" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



うさぎ2部に分けて投稿していますロップイヤー
 本文はこちらですウサギウサギウサギ


星いつもと違う高齢者をみたら


❶「いつもとちがう」に
      出合ったとき

 呼吸数が増えている

高齢者の呼吸数は、成人よりも速い傾向が
 あります。

・一般的に、1分間に16~24回が正常値
 されています。

・これは、高齢になると肺の機能が低下し、
 酸素の取り込みが悪くなるためです。

・また、体温調節機能も低下するため、
 体温の上昇によって呼吸数が増加しやすく
 なります。

・高齢者の呼吸数が異常な場合は、
 早めに医療機関を受診して原因を調べる
 ことが大切です。

高齢者の平均呼吸数

65歳~74歳:16~22回/分
75歳~84歳:17~23回/分
85歳以上:18~24回/分

・ただし、高齢者の呼吸数は個人差が大きい
 ため、あくまでも目安として考えましょう。




⑵「呼吸数が増えている」
ときに求められる対応と考え方

クローバー呼吸数をしっかり測る

1分間の呼吸数を数えるか、30秒間測って
 2倍します。

・簡単に確認できますので、「いつもと状態が
 違う」と思ったら、その1分間(30秒間)を
 待つ余裕をもってください。

10秒間測って6倍したり、15秒間測って
 4倍したりする方法は、呼吸数が減っている
 場合には誤差を生じるため不適切です。

高齢者の平均呼吸数は15〜20/分です。

呼吸数が25/分以上であれば異常と考えて
 ください。

呼吸数が促迫しているなら迷わず受診!
 施設や自宅で様子をみてはいけません。

・深刻な状態かどうかを判断するための指標
 として、呼吸数はもっとも頼りになります。

呼吸が促迫しているなら、迷わず病院へ
 搬送しましょう。



呼吸数が多くなる疾患





⑶呼吸リズムの異常

クローバー周期的呼吸リズム異常
・チェーンストークス呼吸のように無呼吸と
 漸増漸減型呼吸(ゆっくり浅い呼吸と
 ゆっくり深い呼吸を繰り返すこと)を周期的
 に繰り返す。


クローバー不規則な呼吸リズム異常
・ビオー呼吸のように頻呼吸と無呼吸を不規則
 に繰り返す。





⑷呼吸様式の異常

クローバー奇異呼吸
正常の呼吸運動とは逆に、吸気時に胸壁が
 陥没し、呼気時に膨隆(ぼうりゅう)する
 呼吸のことで胸部外傷の際にみられることが
 多くみられます。




クローバー努力呼吸
・吸気時に頸鎖乳突筋などの補助呼吸筋を
 用いたり、呼気時に内肋間筋や腹筋を収縮
 させたり、安静呼吸では使わない呼吸筋を
 動員して行う呼吸をいいます。

・健常者における安静呼吸は横隔膜や外肋間
 などの吸気筋の収縮と弛緩によって行われて
 います。

努力呼吸




クローバー起座呼吸
・努力呼吸を必要とする病態で、
 臥位に比べて座位で呼吸が楽な状態
 いきます。

・これは座位のほうが胸郭の伸展や横隔膜の
 運動がよりしやすくなるためです。

気管支喘息発作時や心不全や肺うっ血など
 でみられることが多くあります。






⑸呼吸の深さの異常


クローバー過呼吸(過換気)

呼吸数の増加とともに、1回の換気量が

 増えた状態で、いわゆる深呼吸のような

 呼吸で、激しい運動の後に見られる過呼吸や

 精神的不安定などにより誘発される

 過換気症候群が知られています。



クローバー低呼吸(低換気)

1回換気量が低下した状態、睡眠時などにも

 みられることがあります。


・呼吸中枢が抑制されて生じる中枢性肺胞

 低換気症候群が知られています。


死期が迫った際にも呼吸回数が低下する

 とともに、換気量が低下した浅い呼吸になる

 ことがしばしばみられます。











参考資料

  いつもと違う高齢者をみたら
  在宅・介護施設での判断と対応
           荒井千明著

   
  次回は、
    「いつもとちがう」に出合ったとき
      "呼吸をしていない
         心停止?"
      
             


               について


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 ご遠慮なくいただけたらと思います。
 手探りでやってますので、ヒントをもらえたら

  私も勉強になりありがたいです。