終末期ケア(1395)ー2 "脈拍数が多い(頻脈)" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



うさぎ2部に分けて投稿していますロップイヤー
 本文はこちらですウサギウサギウサギ


星いつもと違う高齢者をみたら


❶「いつもとちがう」に
      出合ったとき

 脈拍数が多い(頻脈)

・高齢者の脈拍数の基準範囲は60〜90/分
 です。




100回/分以上を頻脈といい、高齢者では

 脱水やうっ血心不全などによる心拍出量の

 低下が生じると頻脈になりやすくなります。


・これが120回/分以上の時には病気が原因で

 起こっていることが疑われるため、

 精密検査が必要になります。


120回/分以上の頻脈では、全身に血液を

 効率的に送ることができなくなるので注意が

 必要です。









・心臓は微弱な電気信号により規則正しい脈拍

 を保っていますが、狭心症や心筋梗塞、

 心不全、虚血性心疾患などが原因で電気信号

 に異常が起こると頻脈などの不整脈が発生

 します。 


・心疾患以外にも、高血圧、糖尿病、甲状腺

 疾患などで起こるほか、疲労の蓄積や

 ストレス、飲酒・喫煙、睡眠不足などが

 原因で起こることもあります。



不整脈(心房細動)による心不全



不整脈



・頻脈を診断する検査として、心電図検査

 (12誘導心電図・ホルター心電図)や

 超音波エコー検査(心エコー)などがあり

 ます。



クローバー慢性心房細動

 (まんせいしんぼうさいどう)


心房が小刻みに動き、けいれんしている

 ような状態です。


・心房細動では、洞結節でないところからも

 電気が発生し、電気刺激がうまく伝わらずに

 心臓の心房と呼ばれる場所が痙攣し不規則に

 動いてしまう状態です。





・心房細動は発症したからといってすぐに

 生命に関わるような病気ではありませんが、

 血液の流れが悪くなり血栓を作りやすくなり

 ます。


・そのため、心房細動は心原性脳塞栓症

 (脳梗塞)の主たるリスク要因と言われて

 います。




心房細動患者さんの半分が75歳以上であり

 最近までは治しても予後に関係ないので

 心拍数だけを良くすればよいといわれて

 いました。 


・ところが、心房細動は慢性化すると予後が

 悪くなることが分かってきており、慢性

 持続性の心房細動は少なくとも発作性に

 したほうがよさそうです。


・慢性化すると自覚症状もなくなるのですが

 慢性化すると心房の形もかわり心不全以外

 にも洞不全も起こしてきます。


カテーテルを用いた根治療法が発達してきて

 います。





クローバー頻脈性不整脈

 (ひんぱくせいふせいみゃく)


心拍数が通常よりも増え過ぎているタイプが

 頻脈性不整脈です。


・脈拍数が増加することで動悸(心臓が激しく

 鼓動するなどの症状がみられる)が起きる

 ようになります。


・さらに頻脈が激しくなれば、めまい、冷や汗

 吐き気といった症状が現れるほか、意識が

 消失することもあります。


・頻脈は、運動、興奮、発熱、アルコールの

 摂取といったことなのでみられることも

 あります。


・これは生理的なもので洞性頻脈と呼ばれて

 いるものです。


・頻脈以外の症状がみられないことが大半

 ですが、人によっては胸部に不快感やめまい

 などが現れます。


・いずれにしても治療をする必要はありま

 せん。


・注意する必要があるのは、

 WPW症候群、心室頻拍、心室細動、

 心房粗動などによる治療が必要な頻脈です。















クローバー心室頻拍

 (しんしつひんぱく)


・心室頻拍とは、頻拍性不整脈という脈が

 速くなる不整脈の一種で、何かしらの原因

 により心室が通常よりも早いペース

 (1分間に120回以上)で規則的な興奮を

 する状態を指します。


急性心筋梗塞などの心臓病により発症する

 タイプのもの(器質性心室頻拍)と、

 心臓病がないのに発症するもの(特発性

 心室頻拍)とに分類することができます。


心室頻拍が続くと脳をはじめとした全身の

 臓器に十分な血液が運ばれなくなって

 しまい、意識消失や命にかかわることも

 ある重篤(非常に重い)な不整脈のひとつ

 です。







クローバー心室細動(しんしつさいどう)


人が倒れて意識を失った場合、

 心臓が心室細動という不整脈を起こしている

 可能性があります。


・心臓を動かしている電気系統(心臓の筋肉の

 一部から発信された微量の電気が伝わる

 しくみ)が何らかの原因で混乱すると、

 リズミカルな収縮が行えなくなります。


・その不整脈の中でも、とくに心臓の血液を

 全身に送り出す場所(心室)がブルブル

 震えて(細動)、血液を送り出せなくなった

 状態(心停止状態)を心室細動とよびます。


・この心室細動が起こると、脳や腎臓、肝臓

 など重要な臓器にも血液が行かなくなり、

 やがて心臓が完全に停止して死亡してしまう

 とても危険な状態です。


心臓が原因の突然死の多くは、

 この心室細動を起こしています。













参考資料

  いつもと違う高齢者をみたら
  在宅・介護施設での判断と対応
           荒井千明著

   
  次回は、
    「いつもとちがう」に出合ったとき
     "「脈拍数が多い」ときに
          求められる対応"
      
             


               について


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