終末期ケア(1393)ー2 "意識がない③ 低ナトリウム血症" | 65歳のおたんこナース

65歳のおたんこナース

22歳に看護学校を卒業して、結婚や出産を経て69歳となりました。約13年間医療療養型の病棟で、病棟スタッフと一緒に、終末期ケアに取り組んできました。
2021年には、終末期ケア専門士の資格も取得しました。
その経験を少しでもお伝え出来ればなと思っています。



うさぎ2部に分けて投稿していますロップイヤー
 本文はこちらですウサギウサギウサギ


星いつもと違う高齢者をみたら


❶「いつもとちがう」に
      出合ったとき

⑴「意識がない」ときの
  考え方とチェックポイント

①低ナトリウム血症

低ナトリウム血症とは、血液中のナトリウム
 濃度が低い状態のことです。

・健康な人では腎臓が尿の排泄量を調節する
 ことで、体内で一定の濃度が保たれて
 いますが、何らかの原因で水分とナトリウム
 量のバランスが崩れると、体内の水分量に
 対してナトリウムの量が少ない状態
 なります。




・ナトリウムは体内の浸透圧を調節したり、
 神経や筋肉を正しく機能させたりする役割
 をもっています。

・体内のナトリウム濃度が下がると軽い疲労感
 がみられはじめ、重症化するとけいれんを
 起こしたり、昏睡状態に陥ったりすること
 もあります。




低ナトリウム血症を引き起こす原因には
 さまざまなものがあり、ホルモン分泌異常
 や腎疾患、心疾患などがあります。

・低ナトリウム血症がみられた場合は身体の
 水分量とナトリウム量のバランスなどから
 考えられる原因を特定します。

・低ナトリウム血症は腎機能が低下する高齢者
 でよくみられます。

・ただし、下痢や嘔吐、多量に汗をかいたとき
 に水分を補給しようと水のみを摂取すること
 などでも低ナトリウム血症を引き起こすこと
 があり、若い人でも起こり得る病気です。










②うっ血性心不全に伴う
    低ナトリウム血症



・うっ血性心不全が基礎にあり、それが悪化

 した場合の低ナトリウム血症は、体内の総量

 が増しているため著しい浮腫(むくみ)を伴い

 ます。


・腎臓における体内へのナトリウム取り込み量

 を上回る水でじゃぶじゃぶになっているため

 希釈による低ナトリウム血症が生じます。


・うっ血性心不全の場合、水分を制限して

 利尿剤を使うことにより、ナトリウム量は

 徐々に是正されます。









③低ナトリウム血症の治療


クローバー水分摂取の制限


軽い低ナトリウム血症は、水分摂取量を 

 1日約1リットル以下に制限することで

 治療できます。


利尿薬や他の薬が原因である場合、

 用量を減らすか使用を中止します。


・病気が原因である場合は、その病気を

 治療します。


・状況に応じて、ナトリウム溶液の静脈内

 投与、体液の排泄を増やす利尿薬の投与、

 またはその両方を、通常はゆっくりと

 数日間にわたって行います。

 これらの治療によりナトリウム濃度は元に

 戻ります。


・一部の人、特に 抗利尿ホルモン不適合

 分泌症候群のある人では長期にわたる

 低ナトリウム血症の治療が必要になり

 ます。


・一般的には、水分制限のみでは低ナトリウム

 血症の再発を予防するのは不十分です。


・軽度から中等度の低ナトリウム血症の場合、

 塩の錠剤が用いられることもあります。


・低ナトリウム血症の原因や体内の水分量に

 応じて、いくつかの薬剤が治療に利用でき

 ます。


重度の低ナトリウム血症は緊急事態です。


・この治療では、輸液、場合によっては

 利尿薬の併用により血液中のナトリウム濃度

 をゆっくりと上昇させます。


ナトリウム濃度を急激に上げると、

 しばしば恒久的かつ重度の脳傷が脳に起こる

 ためです。





参考資料

  いつもと違う高齢者をみたら
  在宅・介護施設での判断と対応
           荒井千明著

   
  次回は、
    「いつもとちがう」に出合ったとき
     "浮腫(むくみ)がみられたときの
              向き合い方"
      
             


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  私も勉強になりありがたいです。